「古きよき時代」なんてよくゾ言ったもの。芸能界では今も昔もセクハラの悪習が後を絶たない。権力を盾に女性有名人が被害に遭った「猥褻事件簿」をプレイバック。
芸能界では仕事のために体を売る「枕営業」が横行し、旧態依然の悪習は解消されることなく、多くの女性芸能人を悩ませてきた。
松本の性加害疑惑により、「枕営業告発」が改めて注目されたているのが、モデルのマリエ(36)だ。
21年4月に自身のインスタグラムのライブ配信で、
「18歳の頃、番組の打ち上げの席で島田紳助(67)に体の関係を求められた」
「同席した出川哲朗(59)からも『いいじゃん。紳助さんとやりなよ』と煽られた」
と、暴露したのだ。
この動画がネット上で拡散されると、出川は「僕は100%言ってません」と、完全否定。SNS上では、蒸し返したマリエに批判の矛先が向かった。
「当初は暴露本を刊行する段取りでしたが、風向きが変わったことで立ち消えになった。都議選に出馬予定だった母親も、取りやめる事態に発展。今後、同情の声が大きくなれば、沈黙を守っているマリエが反撃に出るかもしれません」(スポーツ紙芸能デスク)
一方、トップ女優の宮沢りえ(50)は、初出場した90年の「第41回NHK紅白歌合戦」でまさかのわいせつ被害に見舞われた。古参の芸能記者が述懐する。
「紅白で史上初の“入浴シーン”を披露して話題になったのですが、この本番の最中に、ディレクターがボディコン姿のヒップにタッチしていたんです。それが発覚したのは、翌年の5月頃のこと。りえが『またあの(スタッフ)チームと一緒じゃ紅白に出たくない』とポツリ。事情を聞いたところ、『しり撫で事件』が業界内で知れ渡ったのです」
92年10月放送の「とんねるずのみなさんのおかげです。」(フジテレビ系)では、とんねるずの石橋貴明(62)とチーフディレクターが番組内のセクハラ発言で提訴された。フジ関係者はこう解説する。
「タカさんがビキニ姿の出演女性に『ワキを剃れ』などと“口撃”したあげく、『ムダ毛のお手入れをしてないことをご了承ください』と、テロップでも説明。人権を傷つけられたと激怒したんです」
その後、示談が成立したが、反省の色はゼロ。コントシリーズ「近未来警察072」に、若手時代の松嶋菜々子(50)がナナ隊員役で出演すると、
「全部見えちゃう。クネクネ!」
よつん這いで卑猥な発言を強要され、黒歴史になっている。
続いて、フリーの加藤綾子(38)は、フジテレビ入社試験の「面接」の内幕を暴露。17年7月放送のトーク番組「クジパン」(フジ系)で発した爆弾発言は世間を唖然とさせた。
「試験官から『セクシーポーズをしてください』と言われたことをカミングアウト。そこで悩んだ挙句、『スカートの裾を上げたの…』と話し、膝上までチラ見せしたそうです。あきれた内容もさることながら、おもしろエピソードだと思って放送したフジの問題意識の低さが如実に表れました」(芸能記者)
女子アナでは、13年に「NEWS ZERO」のキャスターを務めていた元フリーの山岸舞彩(36)にもセクハラ被害が発覚。
男性プロデューサーが楽屋に居座ったり、2人きりの反省会をしつこく迫ったことを一部のスポーツ紙がスッパ抜き、その後、更迭されている。
一般庶民に芸能人の非常識ぶりを知らしめたといえば、横山ノック(故人)だろう。
99年に2期目を目指した大阪府知事選の最中、選挙カーの車内で、体調を崩していた運動員の女子大生に毛布をかけると、下半身スイッチがオン。
「女子大生の下着の中に手を入れて、強制わいせつ容疑で大阪地検に告訴されました。民事訴訟も起こされ、訴状では『生理中だったのも構わず触り続け、その指をしゃぶり‥‥』と、変態ぶりも全開。盟友の上岡龍太郎も『間違いなくやっていますね』と切り捨て、裁判は民事、刑事ともに全面敗訴しました」(政治部記者)
芸能界の懲りない性加害の闇の深さに、改めて震撼するばかりだ。
「週刊アサヒ芸能」2月15・22日号掲載