夢グループ石田社長が激白!「有限会社あずさ2号」を設立 業界の常識を覆す新曲プロモーションとは?

 ひょんなことから芸能事務所を設立することになった僕ですが、所属タレントは1977年に日本中で大ヒットした「あずさ2号」を歌う兄弟デュオ・狩人の2人だけです。
 
「まず社名なんだけどさ、『あずさ2号』にしようよ! 株式じゃないよ、2人しかいないんだから。『有限会社あずさ2号』!」

 そう言った途端、狩人の2人は口をあんぐりと開けたまま、しばらく固まっていました。

「社長、たぶんその社名、ウケないと思いますよ」

 心配そうな表情で言う彼らをよそに、僕は、営業をする時に「あずさ2号です」って言えばわかりやすいし、これはいい社名だな…と、1人悦に入っておりました。

 さあ、これから先はジャンジャン営業して狩人を売り込んで、お仕事を取っていくしかありません。でも、正直いって僕にはテレビ局の人脈もないし、芸能界のツテもありません。そこで狩人の2人に聞いたんです。「昨年はどんな仕事をしていたの?」と。

 すると、テレビのお仕事はほとんどなくて年に2、3本だと。でも、企業のパーティーや地方のお祭りなどに呼ばれるんだという話をしてくれました。そこでだいたい1ステージで100万円、1日2回の公演だと180万円になると言うのです。

 ちょっと高すぎるんじゃないか?…と内心思ったんですけど、「じゃあ、昨年1年間で何回ステージをしたの?」と聞いてみたら「1本です…」と。ほとんど仕事がなかったみたいなんです。
 
 でも、うちは契約時に歩合制じゃなく、毎月それぞれ100万円を支払うと決めちゃっていたから引くにひけません。2人はもう大喜びなわけですよ。

 なんとかして仕事を取ってこなくてはと考えた挙句、ふと浮かんだのがタバコのポイ捨て禁止運動です。ちょうど2002年に東京・千代田区で路上禁煙地区での喫煙が2000円の過料処分となった時代でした。急遽、ふたりに新曲を書いてもらったタイトルは「どんポイ!(Don’t Poi!)」。曲のなかには僕が好きな東南アジアの国の名を入れてもらいました。タバコのポイ捨てをやめてシンガポールのようなキレイな街にしようという内容のものです。レコーディングを終えていざ発売となった時、どこにもコネがなかった僕は、自治体に問い合わせをしました。

 区役所や県庁では、よく街の清掃活動を、ボランティアを募って行っています。ちょうど豊島区の池袋西口公園のあたりで毎月1回、職員の方々らが清掃活動をしているという情報を得ると、すぐさま「狩人も一緒にゴミ拾いをさせて下さい!」と申し入れ、ゴミ拾いが終わった後に皆さんの前で新曲を披露させてもらったんです。区の方も話題性があるとして、マスコミ各社に連絡を入れていたため、その様子がテレビ局で放送されました。皆さんと一緒にゴミ拾いをする狩人の姿と、新曲もちらっと…ね。

 こうして、狩人への注目度が再び高まっていったのです。

石田重廣(いしだ・しげひろ)株式会社夢グループ、株式会社ユーコー代表取締役社長。1958年7月1日生まれ、福島県出身。自ら出演する「夢グループ」のテレビショッピングで大人気。昨年、保科有里とのデュエット曲「夢と…未来へ」で歌手デビュー。今年8月30日に第2弾シングル「やすくして♡」を発売、ネット上でも話題に。

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