「アレクサ搭載ルンバ」構想も後退…AmazonがiRobotを買収断念!

 米Amazonは1月29日、欧州連合(EU)の規制当局の反対を受けて、ロボット掃除機「ルンバ」を販売するiRobotの買収を断念すると発表した。Amazonは買収によってルンバと音声アシスタント「アレクサ」との連携を強化するとされていたが、その計画も白紙になってしまったのだろうか?

「Amazonは昨年8月にiRobotをおよそ17億ドル(約2500億円)で買収に合意したと発表しました。しかし、同年11月にEU規制当局はAmazonがiRobotを買収した場合、ルンバを優先的に販売して市場が独占されるのではないかと異議を表明。米連邦取引委員会も買収に反対の意向を示したため、買収契約を進めることが困難になったとして、計画を断念することを決めたとしています」(大手紙記者)

 買収の破談によって注目が集まっているのが、ルンバとアレクサの連携強化だ。機種にもよるが、現在ルンバはアレクサで指示することで掃除を開始したり、終了したりすることができる。しかし連携強化によって、カメラ搭載モデルでストックの少なくなった日用品の補充や侵入者を感知して危険を報告するといった機能が搭載されるのではないかと期待が高まっていたのだが…。

「ルンバがAmazonデバイスのひとつになる可能性がほぼ消滅したので、アレクサとの連携強化も基本的にはなかったことになるのではないでしょうか。近年は業績が悪化していたiRobotは、買収が破談になったことで株価が暴落しており、コリン・アングルCEOの退任と、従業員のおよそ3割にあたる350人を解雇を決定しており、今回の件でAmazonから9400万ドル(約139億円)の契約解除金が支払われるといいます」(経済ジャーナリスト)

 今後のiRobotを注視したい。

(小林洋三)

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