岸田vs麻生「どちらが偉い?」遺恨バトル(1)派閥解消「岸田の乱」大空振りの真相

「一寸先は闇」の政界で驚天動地の大事件が発生した。1月18日の夜、岸田文雄総理(66)が「岸田派解散を検討している」と発言し、永田町は一気に風雲急を告げた。岸田派、二階派、安倍派、果ては森山派と派閥解散ドミノによって岸田・麻生・茂木の〝3頭政治〟は一気に瓦解。キングメーカー麻生VS岸田総理の暗闘が浮き彫りとなった。〝死に体内閣〟の末路やいかに…。

「岸田さんとしては起死回生の大バクチのつもりだったんでしょう。が、トップの判断として、完全に間違っています」

 こう断じるのは、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏だ。もはや支持率20%台の超低空飛行を続ける岸田内閣。政敵にとどめを刺すつもりが裏目に出て、あわや墜落寸前だ。岸田総理みずからが、肉を切らせて骨を断つ起死回生の「宏池会解散」で派閥解消に先鞭をつけることで、政権浮揚を試みる。そんな皮算用だった。しかし、国民から支持を得ることもない皮肉な結果となっている。

「順番が違う。今回の派閥裏金問題に係わる『政治とカネ』の問題では、どの議員が具体的に何を・どう使ったかを一切説明していない。まずはそこの解明があって、次にどう法制化して不正防止を図るか。そして最後に派閥をどうするのか考えるのが手順のはずだった。にもかかわらず、いきなりみずからの派閥解散でお茶を濁そうとしている。冗談じゃないですよ」

 鈴木氏は、もはや「錯乱状態」とまで切って捨てるのだ。

 その〝錯乱〟により最大の煽りを食らったのが、安倍・菅・岸田と、長きにわたって政権を支え、今やキングメーカーを自認する麻生太郎党副総裁(83)だ。

「にもかかわらず、麻生さんは岸田さんの派閥解散宣言を報道で知り、岸田さんの携帯に電話。『これは一体何だ』と詰問したといいます。麻生さんは安倍元総理没後『ど真ん中で岸田を支える』と公言するなど岸田政権の後ろ盾となっていただけに後足で砂をかけられたようなもの。激怒するのも当然でしょう」(政治部デスク)

 麻生氏もやはり、宏池会を飛び出してからみずから志公会(麻生派)を立ち上げ、最大派閥安倍派に次ぐ第2派閥に育てるなど、派閥存続派では人後に落ちない。

「それだけに、『裏金で立件されたわけでもないのに解散するのは理屈が立たない。俺らは何も悪いことはしてねえぞ』と派閥解散に徹底抗戦したわけです」(政治部デスク)

 かくして永田町が2人のバトルの動向に固唾を呑むこととなったのだ。

(つづく)

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