「地震リスクが日本一低い県」が移住先として大注目

 復旧作業が難航し、被災地では半月以上たった今も混乱が続いている能登半島地震。日本は世界有数の地震大国だが、それでも地域によって地震の発生頻度は異なる。

 近年は大都市圏から地方へ移り住む人も増えているが、地震の少ない地域を移住先の条件のひとつに挙げる人は少なくない。なかでも人気を集めているのが岡山県だ。

“地震が日本一少ない県”とも呼ばれており、気象庁の「震度データベース」で調べたところ、1919年以降で震度4以上の地震発生回数は19回。佐賀県(14回)に次いで全国で2番目に少ない。しかも、震度6弱以上は一度も観測されていないのだ。

 また地震保険の料率は地域の地震リスクによって異なるが、基本料率は財務省のホームページに都道府県別で公開されており、そこでも岡山県はもっとも安いグループに属している。

「岡山県でも中国山地の南側に広がる吉備高原には活断層がなく、地下20キロまで安定した地盤であることが確認されています。そのため、有識者の間では首都圏に不測の事態が起きた場合の首都機能の移転先の候補としても名前が挙がるほどです」(大手紙記者)

 吉備高原に含まれるのは岡山市、新見市、高梁市、総社市、吉備中央町などのほか、広島県や兵庫県の一部地域にもまたがり、当該地域の自治体は20市町を超す。さらに岡山は“晴れの国”として知られ、年間の日照時間が多いことも移住先として人気の理由にもなっている。

「ただし、南海トラフ巨大地震が発生した場合、岡山県南部の予想震度は震度5弱から6強。それでも吉備高原でも北部であれば大半の地域で震度4、ないし5弱です。あくまで予想なので絶対ではありませんが、致命的な被害を免れる可能性は高いと言われています」(同)

 何も起きないに越したことはないが万が一の事態を考えれば、移住先として検討する余地は大いにありそうだ。

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