「不法滞在は犯罪ですよ」「いかなる理由があってもダメでしょ」「めざましって番組がなんで寝ぼけてんの?」などと批判コメントが殺到したのは、フジテレビ系の情報番組「めざまし8」。7月23日の放送で「シリーズ ニッポン、大丈夫?」の第2弾として「増える不法滞在者」の問題を取り上げたのだが、コメンテーターの発言が炎上を招くこととなった。
番組が取り上げたデータによれば、昨年の在留外国人の数は約341万人。今や働き手として日本に不可欠な存在となったが、その一方で不法滞在中の外国人による犯罪が多発。今年1月1日時点で、不法滞在者の数は去年よりも8622人増えて7万9113人にのぼるという。技能実習生の中には、いじめや報酬トラブルなどで職場から失踪し、「ボドイ」(兵士)と呼ばれる不法滞在グループに参加して犯罪に手を染める者がいると解説した。
番組MCの谷原章介は「生きるためにやむを得ず罪を犯す方も中にはいらっしゃる」と述べていたが、その後、コメントを求められたジャーナリストの立岩陽一郎氏は技能実習制度の改正の動きに触れつつ、「この番組も非常に気を使っているとは思うけども」と前置きしてこう語った。
「不法滞在、これは法律には違反しているわけ。だけどこれを過度に犯罪者扱いをすると、ますます地下に潜っていくわけですよね。そういうのは避けた方がいい。法律をおかして滞在している事実があったとしても、私はそれを『犯罪者だ』『こいつら悪いんだ』というふうにやっちゃうと、どんどんそれが悪質化していくので、それは避けてほしい」
不法滞在の外国人を過度に犯罪者扱いすることを避けるべきという発言に、ネット上では「そこで優しくするとどんどん犯罪者予備軍がやってくる」「技能実習制度はザルだけど不法滞在はダメだよ」「可哀そうな外国人でも犯罪は犯罪」などと異論が噴出していた。
「番組では今年4月から発生した連続緊縛強盗事件の容疑者として、2人のベトナム人男性が逮捕されたニュースを紹介していました。どれも山間部の一軒家を狙ったもので、栃木県日光市で被害にあった70代の男性は顔を殴られ、現金3万円とキャッシュカードを奪われました。被害者男性の手足をネクタイで縛って身動きができない状態にして、ATMから現金を引き出したという手口は悪質極まりない。逮捕された2人が技能実習生だったかどうかは不明ですが、これだけ陰惨な事件を報じた後では、不法滞在者に寛容な心を抱くのは難しいかもしれません」(メディア誌ライター)
外国人労働者の受け入れ制度には抜本的な改革が求められそうだ。