転職サイト「doda」を運営するパーソナルキャリアは7日、およそ10万人の個人ユーザーの登録情報が直近の勤務先企業から閲覧可能となっていたと発表した。転職活動をしていたことがバレていた可能性もあり、同サイト利用者からは心配の声が上がっている。
問題があったのは法人向けサービス「doda Request」の検索・閲覧画面で、本来であれば個人ユーザーの情報が直近の勤務先には表示されないようブロックされるはずだったが、この機能に不具合があったという。不具合が発生していたのは、2018年8月7日~23年10月31日までで、9万6338名の個人ユーザーの年齢や性別、居住地、最終学歴、保有資格などが閲覧可能な状態になっていたという。
同サービスを利用するユーザーからの報告によって問題が発覚。パーソナルキャリアは「本件の対象となった個人のお客さま、ならびに関係者の皆さまに多大なるご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。現在は「doda Request」の提供を停止し、情報を直近の勤務先から閲覧された可能性のある個人ユーザーへ連絡を進めている。
「転職活動をしていることを周囲には知られたくはありませんから、かなり不安な気持ちになっている人も多いのではないでしょうか。ビズヒッツが21年に公開した転職活動に関する意識調査によると、転職活動がバレて困ったこととして、1位は『会社に居づらくなった』、2位は『慰留された』、3位は『詮索された』といった回答が続き、中には『いじめ・嫌がらせを受けた』と回答した人も257人中30人もいたことが明らかになっています。まだまだ日本には転職に対してネガティブなイメージを持つ人も多いですから、今回情報を直近の勤務先企業から閲覧可能となっていたユーザーに影響がなければいいですが…」(転職コンサルタント)
なお、パーソナルキャリアは「あらゆる利用パターンにおいて、お預かりしている個人情報・機密情報を保護するための検証体制・運用をより強化するよう改善し」再発防止に努めるとしている。
(小林洋三)