イスラム組織ハマスによる奇襲攻撃で勃発したイスラエルとの軍事衝突。イスラエル軍はガザ地区への地上侵攻に踏み切る構えで、中東諸国に緊張が広まっている。なかでも世界的に注目を集めているのが、ハマスを支援してきたイランだ。
10月25日放送のテレビ朝日系「大下容子 ワイド!スクランブル」は、イランの最新情勢をリポート。ガザ地区の病院が爆破された際には、イラン国内で反イスラエルデモが行われたという。その一方、国内は深刻な物価高が庶民の暮らしを直撃。「イランは年間約1500億円もの資金を代理勢力に提供している」との情報もあり、国民の間では「ガザにNO」「レバノンにNO」と武装組織への支援に反対する声も広まっているという。
番組MCの大下容子アナウンサーは「いろんな武装組織を支援するお金があったら、自分たちの生活にまわしてよっていうイラン国民の声は高まっていくわけですよね」「政府が言うことと国民が行ってることはちょっと違うんですかね」などと専門家に尋ねて番組を進行させていたが、日本の対応についてこう質問した。
「そんななか、日本はサウジアラビアやUAEもそうですけど、イランからも原油をたくさん輸入していますけれども、今回のことでどのように向き合うのがいいとお考えですか?」
専門家は「双方に自制を呼びかけるのが一番必要なこと」と述べて、「じっくり話し合って冷静に対処していきましょう、と呼びかけるのが日本としては好まれる対応姿勢」と語っていたが、「日本がイランから原油を輸入している」という大下アナのコメントに、SNSでは《イランからの原油輸入はストップしてますよ》《トランプに言われて輸入禁止にしたんじゃなかった?》《イランからの輸入はゼロです》と訂正を求める声が寄せられていた。
「イランは2008年まで日本の原油輸入元の上位3カ国に入っていましたが、徐々に輸入量は減っていき、2018年から始まったアメリカによる対イランの経済制裁を受けて、翌2019年5月以降は原油の輸入を停止しています。日本貿易振興機構の報告書にも、2018年には最大で日量200万バレルあった原油の輸出量が2019年にはおよそ3分の1にまで落ち込んだと書かれていますし、経済産業省の資源エネルギー庁が今年9月にまとめた原油輸入元の資料にも、イランの名はありません」(メディア誌ライター)
もっとも、アメリカ国防省がイラン産原油禁輸措置に関する適用除外を撤廃すると発表したのは2019年4月。4年以上も前の出来事とあって、エグゼクティブアナウンサーの頭からすっぽり抜け落ちていても仕方ないかもしれない。
(福島シゲル)