かつては「1曲売れれば一生食べていける」と言われた芸能界。だが、単価の安い音楽配信が主流になったことでCDの売り上げは激減し、アーティストの印税収入ものきなみダウン。1曲ヒットしただけでは昔ほどの収入は得られず、流行りすたりも早いため、業界内では「一生どころか3年も持たない」などという話も聞かれるほどだ。
ただし、「女々しくて」のヒットで知られるヴィジュアル系エアーバンド「ゴールデンボンバー」のボーカル・鬼龍院翔はそうした凡百の歌手たちとは一線を画している様子だ。
8月29日に放送された「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)に出演した際、彼は「ずっと食っていける」と自信満々に語ったものだ。上記のような最近の音楽業界の常識を真っ向から否定する内容とも取れるが、どういうことか。
「そもそも彼らは現在もインディーズバンド。実は、大手レコード会社から曲をリリースするメジャーデビュー組に比べ、インディーズは印税の取り分が圧倒的に多いんです」(音楽ジャーナリスト)
印税はアーティストをはじめ、作詞者や作曲者にもそれぞれ発生するが、全て合わせてもメジャー歌手の取り分は5%前後。一方、インディーズの場合は数十%になるという。
「メジャーだとレコード会社への分配率が3~5割もありますが、インディーズだとそれがほぼない。もちろん、宣伝にお金をかけられず、CDの場合は販路も限られる。手厚いサポートもないのでデメリットも大きい。それでも突き抜けたヒットを記録すれば、得られる印税収入はケタ外れなのです。過去にも『ロード』(93年)の大ヒットで知られるTHE 虎舞竜は当時インディーズバンドでしたが、ボーカルと作詞、作曲を担当した高橋ジョージが手にした印税はなんと22億円だといいます。本人がテレビなどでたびたび告白していますね」(前出・ジャーナリスト)
「女々しくて」はカラオケによる印税も大きい。毎年ランキング上位の常連曲で、先の番組では鬼龍院がさんまに「まったく働かなくても(生活できる)」とも語っている。
「特にあの曲はカラオケで盛り上がりたい時の定番曲。CDセールス自体は約15万枚とミリオンには程遠いですが、配信売り上げやカラオケ印税は相当な額になるはずです」(前出・ジャーナリスト)
ことインディーズに限っては「一発当てれば一生もの」はまだ当てはまるようだ。