マボロシの剛腕!? あと一歩間に合わなかった「原巨人の救世主」

 予告先発のグリフィンが練習中、頭部に打球が当たるというアクシデントが発生し、菅野智之が中5日で緊急登板した23日のヤクルト戦。試合直前に先発可能な代役を探す原巨人の内情を各メディアが伝えていたが、こんな声もあった。

「せめて、あと1カ月早かったら」

 今、育成選手枠にスゴイ投手がいる。厳密に言えば、春先の評判はたいしたことはなかった。しかし、過去に故障した右ヒジが癒え、同時に物凄い投球を見せるようになったのだ。

「エルビス・ルシアーノですよ。まだ23歳なんですが、ブルージェイズに在籍していた19歳のシーズンにメジャーデビューし、将来を有望視されていました。右ヒジを故障し、以後、マイナーで悶々としていました」(在米ライター)

 今年1月、巨人と育成契約を交わした。だが、右ヒジが完全に癒えていなかったことと、リハビリでストレスが溜まっていたのか、体が重そうだった。

 奇しくもグリフィンにアクシデントが発生した8月23日、そのルシアーノが三軍練習でブルペン入りした。投球練習を再開させた7月中旬から、「他投手とモノが違う」と評判になっていたそうだが、その日は150キロ台のストレートをガンガン投げ込んでいたそうだ。

「7月下旬、ルシアーノが急激に良くなったとの報告は一軍にも届いていました。ただ、ブルペン投球を再開させる時期が遅かったので、今季中の支配下登録は諦めました」(関係者)

 あと1カ月早くピッチング練習ができていたら、戦況は変わっていたかもしれない。

「23日の菅野の粘投は見事でした。でも、巨人投手陣は菅野中心の図式は変わりませんね」(スポーツ紙記者)

 蛇足になるが、ルシアーノが今秋のフェニックスリーグで結果を出せば、原辰徳監督は外国人選手の編成についても考えなければならないだろう。ウォーカーの放出が囁かれているのはルシアーノの台頭もあるようだ。

(飯山満/スポーツライター)

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