阪神が緊急獲得した前ヤンキース3Aのコルテン・ブルワーがベールを脱いだ。
「来日初ブルペンは8月8日でした。スピードは150キロ前後、ボールが重い印象を受けました」(在阪メディア)
ブルペン投球を見守った和田豊二軍監督も「だいたい構えたミットの付近に来て、コントロールでバタバタすることはないという感じ」と目を細めていたが、ブルワーの真価が問われるのは、12日の広島との二軍戦だろう。
「ブルワーは阪神との契約書を見たとき、びっくりしたそうです」(球界関係者)
両者が基本合意に達し、阪神側が契約書を持ってきた。しかし、その条項には「クイックモーションを練習しておく」ことも記載されていたそうだ。
機動力を使う作戦が多い日本球界において、クイックモーションが重要なのは本人も分かっていた。外国人投手が来日後にその習得に苦労することも聞かされていた。ブルワーはその覚悟もできていたが、「契約書に書くことか?」と驚いたそうだ。
しかし、交渉にあたったジェフ・ウィリアム駐米スカウトは、「日本に行く以上は成功してもらいたい。そのためには…」と岡田彰布監督の熱意を説明したという。
「来日するまでの間、ブルワーもクイックや牽制球の練習に時間を割いていました」(前出・同)
とはいえ、自己流での練習である。試合で通用するかどうかが試されるのが実戦デビューとなる12日なのだ。
岡田監督はブルワーを11日のヤクルト戦から一軍での試合前練習にも参加させると明言している。新助っ人を1日でも早くチームに溶け込ませるためだろう。
「岡田監督は日米のストライクゾーンの違いにアジャストできるかも心配していました。ノイジーは春季キャンプ中の紅白戦で、ボールと判断して自信を持って見逃した球がストライクとなり、以後、外角のボール球に手を出す悪い癖がついてしまいました。ブルワーには良いデビューをさせたいと思っています」(前出・在阪メディア)
12日の二軍戦は、トラの終盤戦を左右する重大な一戦となりそうだ。
(飯山満/スポーツライター)