ガソリンスタンド(GS)の減少に歯止めがかからない。
昨年7月に経済産業省がまとめた「平成29年度末揮発油販売業数及び給油所数の推移(登録ベース)」によれば、GSが最も多かったのは1994年の6万421カ所で、そこをピークに24年連続で減少しており、昨年には約半分の3万70カ所となっている。
「特に地方に行くと閉まっているGSを多く見かけますが、この状況に対して自動車情報誌の『ベストカー』などでは、『カタログ燃費25km/Lを超えるガソリン車やハイブリッド車が増加し、ガソリン消費量が減少』したことが原因ではないかと、説明しています」(フリーライター)
お盆シーズンで、帰省や行楽でクルマを運転する機会も増えたからだろう。ネット上では《昨年まであったのに無くなっててビックリ》といったGSの減少を伝えるとともに、《半分が税金で持っていかれるわけだろ? そりゃ潰れるよ》《クルマ持っていてもガソリンが高くてバカバカしくなる》と、その理由が税金にあると指摘する声が相次いでいた。
「例えばガソリンがリッター150円だったとして、そのうちガソリン税(本則税率)が28.7円、ガソリン税(暫定税率)が25.1円、石油税が2.54円かかっており、さらには本体価格とこれら税金に対してその上から消費税がかかっているのです。つまりリッター150円とすると本体価格は82円で、税金が68円掛かっていることになる。ガソリン税や石油税を含んだガソリン価格に消費税が上乗せされることは、二重課税になるのではないかと問題視する声もありますが、一向に変わる様子がありません。また、ガソリンの暫定税率も当初は一時的なものとして導入しましたが、結局は撤廃されず1974年から維持されたままなのです」(経済評論家)
GSが一つもない町村は全国で10あり、過疎地のエネルギー問題に発展している。ガソリン税を見直すことが、こうした問題の解決になるのかもしれない。
(小林洋三)