日ハム・清宮幸太郎、甲子園予選で負けた野球部の夏休み練習みたいな日々

 北海道日本ハム・栗山英樹監督が、ナゾのお説教だ。標的は清宮幸太郎、それも連日…。

「試合前に呼び出して、監督室や通路などで厳しく何かを言い聞かせています。清宮は直立不動で『ハイ、ハイ』と言っているだけ」(球界関係者)

 目下、清宮の打率は1割8分2厘(8月12日時点)。お世辞にもチームに貢献しているとは言えない。コーチスタッフからも「二軍降格」が進言されているが、栗山監督が頑として受け入れないという。

 そういえば、清宮の一軍昇格も栗山監督の一存で決定したものだった。オープン戦途中に右手有鉤骨を骨折し、それが癒え、二軍での実戦復帰を果たすなり、すぐに一軍昇格を決定した。だが、スタメンはおろか、代打などの途中出場すら無い日も少なくない。
 
「連日、清宮だけは早出特打ちですよ。金子誠、城石憲之両打撃担当コーチがお目付役となり、相当量の打ち込みをやっています」(同前)

 前出の球団関係者によれば、栗山監督のお説教には両コーチへの感謝とともに、打撃爆発しなければ両コーチへの裏切りになるという厳しいプレッシャーもあるそうだ。

 しかし、試合での出番がない。早出特打ちを続けさせるのなら、二軍に落としたほうが良さそうだが、栗山監督の見解は違う。「二軍投手が相手だと、清宮は努力しなくても、そこそこの成績を残してしまう。それでは成長がない」とのこと。手元において育てたいとの気持ちもあるのだろう。
 
「栗山監督はペナントレース後半戦のポイントとして、『主役勝負』という言い方をしています。その主役とは誰なのかと聞き返すと、名前は言いませんが、清宮に期待しているのでは」(スポーツ紙記者)

 主砲・中田翔も8月に入って調子を落としつつある。一軍再昇格を果たした斎藤佑樹もチャンスをモノにできなかった。吉田輝星は言わずもがなだ。「主役勝負」とは、彼らの不振脱出というプラス要素に期待しているのかもしれないが、お説教をするのは清宮に対してだけだという。

「炎天下での早出特打ちを続けているので、清宮の顔は日焼けで浅黒くなっています」(同前)

 栗山監督の“鬼の指導”に戸惑いながらも、清宮はバットを振り続けている。なんか、夏の甲子園予選で負けた野球部の夏休み練習みたいな日々だ。
 
 清宮は甲子園ヒーローだったころを懐かしんでいるのかもしれない。

(スポーツライター・飯山満) 

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