「目的を達成した」物価高対策の“廃止”に長嶋一茂が苦言「命に関わる」

 岸田文雄総理大臣を議長とする経済財政諮問会議が7月20日に総理官邸で開かれ、今年度の消費者物価指数が前年度比で2.6%上昇する見通しが示された。

 翌21日に放送された「羽鳥慎一 モーニングショー」(テレビ朝日系)では、会議に出席した民間議員・中空麻奈氏が、電気代やガス代を補助する「激変緩和策」の廃止を提言したと説明して、こんな発言を取り上げた。

「私たちとしてはもう、ある程度のところまで目的を達成したと思っているので、必要なくなったら、縮小・廃止は必要だと申し上げました」

 この後、スタジオでは国の物価高対策と補助金について解説。補助によって、ガソリンの全国平均価格は11.4円抑制され、電気代は8月までの使用分が1カ月当たり2800円、ガス代は900円の負担軽減が行われていると説明した。さらに、この物価対策の打ち切りを提言した中空氏の「日本は政策をいったん取ったらやめられない。物価対策もある程度こなせたと思ったらやめる必要がある」との発言を振り返った。

 MCの羽鳥慎一アナは「国の補助金も無期限、無制限に続けられないと思いますが…」としつつも、「今、じゃないのかな」「このタイミングでの提言ですから」と述べていたが、コメントを求められた長嶋一茂は「困るでしょう」と前置きして、「エアコン止めるってわけにはいかないし、『モーニングショー』でもやってるように命に関わるものだし、冬になったって大寒波やってくるってずっと(番組で)やってるわけだし、タイミング的にどうなのかな」と疑問を呈した。

 さらに一茂は、中空氏の「困っている人にお金が届くように」との発言に対して、「そこの政策はどうするのかって。それができてるんだったらコロナ対策だって消費税だってやってるわけだから。できてないわけでしょう。税を取ることはできてもばら撒くほうは一律にできてないっていう部分があると思いますね」と政府の補助打ち切りに否定的な考えを示した。

「番組ではその後、玉川徹氏が補助の段階的な廃止について『しょうがない』と語り、再生可能エネルギーの普及を訴えていましたが、番組ではこれまで何度も室内熱中症のリスクについて取り上げているので、一茂さんとしては電気代の補助の廃止はどうしても納得いかなかった様子。電気代とガス代の補助は9月いっぱいまで継続されますが、もしも10月以降打ち切りとなったら、今後のためにと必要以上に電気代を節約する世帯も出てくるはず。一茂さんの主張はまっとうと言えます」(経済ジャーナリスト)

 岸田総理が耳を傾けるのは、民間議員の提言か、国民の声か。

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