「大卒=負け組」の時代到来!? 超売り手市場で「高卒就職者」の需要が急増!

 7月に入り、来春卒業予定の高校生に向けた企業による学校訪問や求人情報の公開が解禁された。高卒就職者数を大学等進学者数が初めて超えたのは1992年。以来、進学率の上昇や少子化の影響で高卒就職は減少の一途を辿り、今春卒業の就職者は13.5万人まで落ち込んでいる。

 だが、ここに来て企業の高卒者採用の需要が急増。就職希望者にとっては選び放題の超売り手市場になっているという。

「現在はどの業界も人手不足で、今後も厳しくなる一方です。賃金を上げても思うように人が集まらず、外国人労働者に頼る企業も少なくありません。そうした中、青田買いではないですが高卒者採用に力を入れる企業が増えています」(就職コンサルタント)

 ちなみに今年3月末時点での全国の高卒新卒者の求人倍率は3.49倍。バブル期を上回り、過去35年間でもっとも高い。それでも就職希望の高校生はなかなか増えないのが現状だが、大学に進学したからといって必ずしも有利になるとは限らないという。

「今や多くが大卒者で差異がなく、採用する企業側も学歴偏重ではなくなっています。重視されるのは入社後の実績と実力で、上場企業でも高卒者が管理職に出世するケースが増えている。収入格差もなくなりつつあります」(同)

 実際、大学進学者の中には特に目的意識もなく、「就職に有利だから」などの理由で志望する者も多い。しかし企業の側は、こうした意識の低い大学生より目的を持った高校生を評価する傾向にあるそうだ。

「下手に知恵を付けている大卒者より、高卒者の方が伸びしろが期待できるという採用担当者の声があります。四大卒というだけではとくに“箔”がつくわけでもなく、何か秀でたスキルがあれば別ですが、高卒採用者との差は言うほどありません。遊ぶために大学に行くくらいなら就職するという選択も、今後は検討してもいいかもしれません」(同)

 もはや〝大卒=勝ち組〟ではないのだ。

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