“弱気なリード”が立浪竜を救う?
6月19日、中日、日本ハム両球団から交換トレードの成立が発表された。中日の郡司裕也捕手、山本拓実投手と日本ハムの宇佐見真吾捕手、斎藤綱記投手が入れ替わるが、先に仕掛けたのは、正捕手・木下拓也を故障で欠いた中日だという。
「宇佐見の経験値に期待したんだと思います」(名古屋在住記者)
宇佐見はプロ8年目だが、一軍戦でマスクをかぶったのは通算300試合。30歳でプロ野球選手としては「今がピーク」なのかもしれないが、捕手としての出場試合数は少ないほうだ。それでも期待される理由は、配球にあるようだ。
「慎重な配球をします。慎重すぎて、弱気なくらいです」(球界関係者)
宇佐見は公立高校から千葉県の城西国際大学を経て、プロ入りした。城西国際大学硬式野球部は2019年の「第50回明治神宮野球大会」でベスト4、同年の「横浜市長杯争奪 第15回関東地区大学野球選手権大会」では優勝もしているが、それは全て宇佐見が卒業した後の話。宇佐見の「慎重すぎる配球」は彼の野球キャリアが影響しているようだ。
「プロの捕手は強豪校の出身ばかり。アマチュア時代にバッテリーを組んだピッチャーも一流クラスなので、多少の配球ミスがあっても致命的な失点につながることはほぼありません。また、得点されても味方打線が逆転してくれる。その点、宇佐見は一球のミスが敗戦に直結するような環境でやってきましたので」(同前)
野球エリートとは異なるキャリアが“独特の配球”を培ったのだろう。「失点されたくない、最少失点で抑えなければ」と強く思う宇佐見流は、「総得点リーグワースト」(172点=19日終了時)の中日に合っているのではないだろうか。
「アイドルグループ・ももいろクローバーZの高城れにとの結婚でも話題になりました。涌井秀章夫人・押切もえもいて、中日の選手夫人会は賑やかになりそうです」(前出・名古屋在住記者)
宇佐見は打撃面でも期待ができる。本当に、救世主になってくれるかもしれない。
(飯山満/スポーツライター)