ウクライナのような戦争状態ではないが、ロシアの脅威に晒されている周辺国のモルドバとジョージア。両国とも一部地域が一方的に分離独立を宣言し、承認したロシア政府が軍を派遣。他国領にロシア軍が駐留する異常事態がウクライナ侵攻の前から続いている。
しかし、駐留するのは国境地帯にある一部の自治州などで、今のところは大きな混乱はない。そんな中、海外ではこの両国が旅行先として密かに人気を集めているという。
「例えば、ジョージアは日本人旅行者の間ではあまりメジャーな国ではないですが、コロナ前には年間500万人の観光客が訪れていました。立地的にシルクロードの西側に位置し、3つの世界遺産があり、見どころも多い。現在は日本からも複数の旅行会社がツアーを催行しています」(旅行誌編集者)
一方のモルドバはヨーロッパでは貧しい小国や農業国という位置付け。観光に力を入れているとは言い難く、以前は隣国のウクライナやルーマニアから来る程度だったが、最近は世界中から旅行者が訪れるようになっているとか。
「多いのバックパッカーなどの個人旅行者。国内は丘陵地帯や渓谷、湖など自然が豊かでアウトドアを楽しんだり、のんびり過ごすにはもってこいの国です。また、これはジョージアにも共通して言えますが物価が安く、同時に世界的に有名なワインの産地。これを目当てに訪れる人も少なくありません」(同)
ウクライナから距離的にそれほど離れてはいないため、不安に感じる方もいるだろう。だが、外務省が発表する「海外安全情報」の危険度はロシア軍が駐留する一部自治州などを除き、4段階中1と意外に低い。
「ちなみに危険度1は、インドやフィリピン、インドネシアの大部分の地域と同じ。旅行を楽しむ程度なら問題ありません」(同)
両国とも夏場を迎えるこれからの季節は旅行のベストシーズン。興味がある方はぜひ!
※画像はモルドバのオーハイ国立公園(上)とジョージアの首都トビリシ(下)