「保険証を人質に取ったのでは…」玉川徹氏がマイナカードをめぐり河野デジタル相を追及

 テレビ朝日の玉川徹氏が6月1日、コメンテーターを務める「羽鳥慎一モーニングショー」(同局系)に出演。マイナンバーカードを巡るトラブルについて、生出演した河野太郎デジタル大臣に果敢に立ち向かった。

 番組では、マイナ保険証に別人の情報が紐づけられるなどマイナンバーカードの問題点を河野氏にぶつけた。

 玉川氏は「国民の4分の1くらいは(マイナンバー)カードの申請をしていない。背景には心配、不安がある。私も不安があります。1つは漏れるという不安。システム上は問題がなくても漏れている」とし、「もう1つの不安はマイナカードが国家による監視とか、個人の統制につながっていくのではないかという不安がどうしてもある」と私見を述べた。

 河野氏は、一部のトラブルはヒューマンエラーであり、それについては謝罪していたが、玉川氏がいう〝個人情報が漏れる〟という不安には「マイナポータルに入れば自分の情報は確認できる」と述べるにとどまった。〝国家による監視目的ではないか〟との問いには触れず、なんとも消化不良。

 マイナ保険証の問題については、医療現場の声を取材したという玉川氏は「申請を忘れる人、できない人が出てくると、保険料を支払っていても無保険になる人がどうしても出てきてしまう」とし、医療費を10割負担することにもなると指摘。続けて「保険証を(来年秋に)廃止するにしても、なぜそこを急ぐのか。マイナカードを100%にするために保険証を人質に取ったのではないか」という医療現場の声をストレートにぶつけた。

 これに対し、河野氏は「今でも(現行の)保険証を忘れました、更新されてなかったというときがある。保険証を忘れたときに全員10割負担かというと、病院によっては〝月内に持ってきてね〟と、とりあえず自己負担分でいいという対応をしているところが結構ある。マイナンバーカードが保険証と紐づけられても、そこの対応は保険証と同じようにやっていただいてかまわない」としたが、〝保険証を人質に取ったのではないか〟という疑問はスルーした。

「玉川氏は国民の誰もが感じている不安や疑問をぶつけましたが、河野氏は論点をずらした回答でのらりくらりとかわした印象です。ネット上でも河野氏は玉川氏の質問に答えていないといった趣旨のコメントであふれていました。2人の舌戦を見て熱くなった視聴者からは『玉川さん、がんばれ!』の声も聞かれました」(週刊誌記者)

 さすがの玉川氏も、あと一歩追い詰められなかったか。

(石田英明)

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