毒蝮三太夫(87)「オレ流健康法」遅寝・遅起き好きなことやり放題「コロナ禍で写経にハマっちゃって」

 69年に放送が開始された「毒蝮三太夫のミュージックプレゼント」(TBSラジオ)では、今も「ババァ、長生きしろよ!」などの毒舌が健在の毒蝮三太夫氏(87)。「人には勧められない」というマムシ流健康法を語ってくれた。

「体はね、やっぱり毎日動かすようにしてるよ。まずストレッチだろ、ヒザ曲げたりなんかしてね。それから手すりを使った斜め腕立て伏せを100回。あと腹筋を50回、それらを30分ぐらいかけてやってるんだよ。それから週に3回はスポーツジムへ行って、プールで水中ウォークを30分だろ。それでジャグジーとサウナに入って帰ってくるんだ。あとウォーキングってほどでもないんだけど、近所をグルッと歩いたりしてるね」

 質問したとたんに次々と飛び出す運動の数々。80代後半にして「さすが」と思いきや、「俺のやってることは他人には勧められない」と言う。その真意は?

「要するに、みんなが『もう年寄りなんだから、ヤメなさい』って言うことをやってるんだよ。その1つが〝遅寝、遅起き〟。別に寝る時間を決めてるわけじゃないけど、だいたい夜中の3時ぐらいに寝て、起きるのは昼の12時ぐらい。だから睡眠時間はちゃんと9時間ぐらい取ってるんだけど、俺に午前中はないの。午後からの仕事しかやらない(笑)。何でそんな生活なのかはわからないね。よく『年寄りになったら、もっと早く眠くなるんじゃないのか』とか『早寝早起きしないと体に悪い』とか言われるんだけど、眠くならないんだからしょうがない。眠くなるまで本を読んだり、映画を見たり、写経をしたりしてるね」

 好きなことを思い切りやるのも健康法の1つだ。

「写経はコロナ禍になってから始めたんだよ。もともと字を書くのが好きだったんだけど、コロナ禍になって外に飲みに行くわけにもいかないし、何か家でやれることはないかと写経セットを買ってみたんだ。俺が買ったのは般若心経のセット。最初は手本の上に半紙を敷いて、その上から筆ペンで文字をなぞるだけ。1日1枚か2枚は必ず書くようにしてたから、もう1000枚以上は書いたね。筆ペンも100本以上は使ったんじゃないかな」

 写経はボケ防止にもつながり、徐々に精神面での変化も訪れた。

「ちゃんとした文字を書くには精神統一が必要だってことがわかった。やっぱり雑念が入ると文字も乱れる。今は手本を見ずに写経ができるようになったんだけど、それでも満足のいくデキとなると3枚に1枚ぐらいしかない。できれば全部成功といきたいところだけど、3枚に1枚なら野球にたとえれば3割バッターだから、そのぐらいでいいんじゃないかって気もするんだけどね」

 ちなみに現在の体重は88キロ。約170センチという身長からすると、やや重めだが、痩せる気はない。
「これもあえて88キロをキープしてるんだよ。医者からも『もう少し痩せたほうがいい』って言われるけど、俺自身はあんまり痩せすぎてるのが好きじゃなくてね。今でもたまに午前様で飲んだり食ったりしてる。『規則正しい不摂生』だな。でも、ふだんは10時以降は食べないようにしてる」

 あまり頑張りすぎないことも大事だという。

「さっきの3割の話じゃないけど、人生100年だったら30年幸せならそれでいいんじゃないの? あんまり欲張らないほうがいいと思うね」

毒蝮三太夫(どくまむし・さんだゆう)1936年、東京都生まれ。俳優として石井伊吉名義で「ウルトラマン」(TBS系)などに出演。68年、現在の芸名に改名。新刊「70歳からの人生相談」(文春新書)を上梓。

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