大村崑(91)「オレ流健康法」“ゴルフボール掴み”で現役バリバリ「これで転倒防止になるんですわ」

 昭和30年代からテレビで大活躍の大村崑氏(91)。90歳代に突入したが、5年前に始めた〝あること〟のおかげで「今がいちばん元気」だと言う。〝元気ハツラツ〟な理由は何なのか?

「5年前に始めたのは筋トレです。別にCMに出てるから言うわけやないんですけど(笑)、ライザップに通い始めたんですわ。きっかけは、僕の衣装担当の瑤子さん(奥様)にあきれられてしまったこと。当時、僕のおなか周りは92センチもあって、衣装を買いに行った店からおなか周り1メートルのズボンの試着を勧められたんです。でも、それだと長すぎて裾合わせしてもどうにも格好が悪い。それで『これはアカンから、近所やし、ライザップに行こう』と瑤子さんに誘われたんです」

 最初はしぶしぶだったが徐々に楽しさに目覚めた。

「始めた頃はスクワットも4回が精いっぱい。しかも、すぐに筋肉痛になってしまう。ただ、筋肉痛になるということは、眠っていた筋肉が起き始めるということ。起きて、固まっていた筋肉が柔らかくなって、新しい筋肉がついてくるんですよ。そうすると、できる回数が増えて、トレーナーも喜んで『崑さん、すごい!』なんてホメてくれるから、こっちもうれしくなって。始めて3カ月ぐらいから体重がどんどん落ちてきたのも励みになりましたわ。今のおなか周りは80センチで12センチも減ったし、スクワットも35キロのバーベルを肩に乗せてやってます。調子がよければ40キロとかね。年に一度、正月に健康診断を受けてるんですけど、去年の健康年齢は66歳、今年は55歳。もう、どんどん若返ってる。最近は白髪の中に黒い髪も生えてきたし、今が人生でいちばん若々しいんとちゃいますか」

 すっかり筋トレにハマってしまった大村氏は、自宅でも暇を見つけてはトレーニングに励んでいる。

「自宅でよくやるのは正座です。時代劇に出る時に必要ですからね。正座は、あんまり体によくないイメージがあるかもしれませんけど、一度やってみてください。たぶん、足首やヒザとか痛いところがあるはず。それは筋肉が固まってる証拠なんですわ。筋肉が固まっているとケガをしやすいし、疲れもなかなか取れません。ただ正座をしてるだけやと時間がもったいないから、僕の場合は正座をしながら発声練習もします。これ、NHKのアナウンサーから聞いたんやけど『りー』って声を出す。正面、右、左、上、下って顔の角度をいろいろ変えてね。ノドの筋肉も鍛えてやらんと、すぐにおじいさんみたいな声になってしまうんですわ」

 他にもゴルフボールを使うなど、変わったトレーニングを行っている。

「ゴルフボールはダイニングテーブルの下にいくつか転がしておいて、暇があったら足の指で掴むようにしてます。これで足の指を鍛えると地面をグッと掴めるから、コケなくなるんですわ。年を取ったらコケるのがいちばん怖いからね。あと、長めの廊下があれば、その突き当たりに鏡を張りつけておく。気がつくとすぐに腰や背筋が曲がって、おじいさんみたいな見た目になってしまうから、鏡を見て、常に姿勢を意識するようにしてます」

 スクワットや腕立て伏せのほか、家中に置いたゴムチューブも使う。

「トレーニングしようと、まとまった時間を作るのは大変でしょ。だからテレビを見ている時なんかに、サッとやれるようにしておけばいい。僕は高齢者やなくて〝幸齢者〟やと思ってます。90代になってから僕、ものすごい幸せですね」

大村崑(おおむら・こん)1931年、兵庫県生まれ。ドラマ「番頭はんと丁稚どん」「頓馬天狗」などで国民的スターに。近年はNHK大河ドラマ「西郷どん」、山村美紗ミステリー「赤い霊柩車」シリーズに出演。著書「崑ちゃん90歳 今が一番、健康です!」(青春出版社)が好評発売中。

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