大手牛丼チェーンの「吉野家」が、トレーニングジムを運営する「ライザップ」と共同で開発したという「ライザップ牛丼サラダ」を5月9日から発売させたのだが、ネット上の評価はイマイチ振るわない。
「ライザップ牛丼サラダ」は、ご飯の代わりにブロッコリーやキャベツ、豆類などの野菜を使用し、牛丼の並盛りよりも糖質を80%カットしたメニューで、牛肉の他に加えた鶏肉や半熟卵により、タンパク質もしっかり補給できるようになっているという。価格は税込540円でテイクアウトも可能だ。
「吉野家は2019年の2月期は純損益が60億円の赤字となり、通期としては6年ぶりの赤字となりました。原材料の高騰や人件費の上昇が原因と言われており、現在、セルフサービスの導入や牛丼の新サイズを投入するなどして、業績回復に躍起になっています。今回の『ライザップ牛サラダ』もその一貫で新規顧客を狙った策と思われますが、ヘルシーメニューで言えば、すでに競合する『すき家』に、ご飯の代わりに豆腐を使った“牛丼ライト”があり、後発感は否めない。つまり、『ライザップ』の名にどこまで客が魅かれるかにかかっています」(経済評論家)
ネットではこの新メニューに、《そもそも「ライザップ」に目が留まる人が牛丼を食うのか》《保守的な吉野家がライザップと組むとは意外だが新鮮さはゼロ》といった辛辣な意見も相次いでいる。
ライザップグループと言えば、2018年4~12月期の純損益で81億円の赤字を出すという苦しい状況にもある。赤字どうしの異業種コラボは実を結ぶのか。
(小林洋三)