7月30日、日本製鉄とその子会社が保有する鹿島アントラーズ・エフ・シーの発行済み株式72.5%のうち61.6%を取得したと発表し、J1鹿島アントラーズの経営権を取得した、メルカリ。
「あのタイミングで鹿島が身売りするとは驚きでした。しかも、鹿島株は総額で16億円弱だったそうで、元日本代監督の岡田武史氏もイベントで『(鹿島の経営権は)安いな。うち(オーナーを務めるFC今治)はそんなに安くないからな』と冗談めかして語っており、リーグ優勝8度含む20タイトルを獲得したJナンバー1チームがこの値段で売られてしまうとは…。ヴィッセル神戸に所属するイニエスタ選手の年俸が約約32億5000万円なので、鹿島の価値はその半分に満たないことになります」(スポーツ紙記者)
こうした破格の値で経営権を手にしたメルカリだが、ネット上では《格安で転売しないでくれよ》などと、運営するフリマアプリにかけて揶揄する声もあがっている。
「実際、鹿島の経営はそこまで楽なものではない。現状、チームはJ1で4位とまずまずの位置につけてはいますが、この夏FW鈴木優磨、MF安部裕葵、DF安西幸輝と主力級の選手が3人も海外移籍を決めるなど、戦力減の状態にあり、大型補強が求められている。一方、メルカリの業績はといえば、先ごろ2019年6月期の連結業績予想で純損益が137億円の赤字になる見通しと発表したばかり。一歩間違えれば、鹿島の手放しが冗談ではなくなる可能性も孕んでいるとも言えるんです」(経済ジャーナリスト)
8月3日、買収劇から2戦目の湘南ベルマーレ戦では敗れてしまった新生「メルカリ・アントラーズ」。サポーターのためにも健闘を祈るばかりだ。
(小林洋三)