【大研究】YouTube「スキップできない30秒広告」は視聴者離れを起こすか

 5月17日に米国で開催されたテレビ業界向けイベント「Upfronts 2023」でYouTubeが、スキップできない30秒広告の導入を発表した。多くのユーザーがネット広告にストレスを感じているというデータもあるが、30秒広告はYoutube離れを招くことにならないのだろうか?

「YouTubeは、15秒のショート動画から15時間のライブ配信まで多種多様なクリエイターとそのファンが集まっていると主張。また、調査会社ニールセンのレポートによれば、2023年4月の米国でのテレビ視聴で最も利用されたのはストリーミングサービスで、中でもYouTubeは8.1%と最も観られている媒体であることをアピールしました。そして、これらの状況は広告主が出稿しやすい状況を作っているとし、より豊かなストーリーテリングが可能になるスキップできない30秒広告を導入すると明らかにしたのです」(ITライター)

 なお、30秒広告はYouTubeで最も視聴され、有害なコンテンツを配信しない上位5%のチャンネルのみ採用され、テレビでYouTubeを観るユーザーに向けて提供。スマートフォンやタブレット、PCで視聴する際には適用されないという。まずは米国で導入され、今年の後半から全世界でのスタートを予定している。

「スキップできない30秒の広告と聞いてストレスを覚える人もいるかもしれませんが、そもそもテレビでは30秒の広告など珍しくはない。テレビでYouTubeを視聴する際に流れるのであれば、それほどストレスを感じることはないと思います。また、ニールセンが過去に実施した調査によると、動画広告は長時間の方が離脱率が少なく、15秒よりも30秒の方がクリック率が高いことも分かっています。ですから、スキップできない30秒広告はそこまでユーザーの離反を招くことにはならないのではないでしょうか」(経済ジャーナリスト)

 これからYouTubeには長尺の広告が増えるかもしれない。

(小林洋三)

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