瀧内公美「体を隠すのは作品に対する冒涜」/令和女優カンヌギ映画祭(2)

 来年の24年前期にNHK連続テレビ小説「虎に翼」で主演が決まっている伊藤沙莉がバストトップを披露したのは、映画「ボクたちはみんな大人になれなかった」(21年、ビターズ・エンド)でのこと。

「私、初めてなんだよね」

 カップルホテルに入る直前、彼氏の森山未來に告げる。そのまま、いざベッドの上でおもむろに浴衣を脱がされると、形のいいバストが露わに。先端もツンと恥ずかしげに上を向いていた。そのまま抱き合いながら仰向けに寝かされると、まだ熟しきれない双丘を揉みしだかれ、

「いい?」

「うん」

 そこから初体験シーンが展開されるのだ。尾谷氏は懐かしそうに語る。

「初心者感が前面に出ていました。体もあまり性に染まっていない感じ、表情も快楽に身を委ねるのではなく、初めての怖さや戸惑いがひしひしと伝わってきましたね」

 コトブキ氏も感慨深げに、こう振り返る。

「クラスに1人はいそうな普通の女性。しかも彼女の場合は、学生時代から女優をしていて、こっちは出演作を見続けているわけですよ。その上でこの作品を見ると、感動とともに〝体はずいぶん大人になったじゃないか〟とツッコミたくなる。女優が脱ぐときは点ではなく、線で捉えないといけないと思うんです。そうすると、『あの女優の現在地はここなんだ』と、知ることができます」

 続いて、裸一貫でのし上がり、今や民放ドラマの常連になったのが、瀧内公美。映画「火口のふたり」(19年、ファントム・フィルム)と映画「裏アカ」(21年、アークエンタテインメント)がノミネートされた。

 結婚式を目前に再会した元カレと、婚約者不在の5日間にヤりまくる「火口─」も圧巻だが、「裏アカ」の濡れ場も生唾ものだった。前田氏も舌を巻いて力説する。

「SNSのフォロワーの男と会ったその日に空き部屋に連れ込まれ、脱がされてしまいます。窓際で夜景をバックに秘部を刺激されるも、アエギ声はまだ控えめ。ところが対面から駅弁スタイルで移動すると、生々しい吐息が漏れます。さらに男にスマホで動画を撮られながら行為を続け、これはなかなか新鮮でイマドキでした。やばいと思いながらも快感を優先してしまうヒロインの心理が描かれています」

 スレンダーでおわん型の巨胸というボディの持ち主でもある瀧内の体当たり艶技について、秋本氏も惜しみない賛辞を送る。

「以前、インタビューした際に濡れ場について聞くと、『普通は全部脱ぎますよね。隠すのは作品の芸術性に対する冒涜。ヨーロッパの女優なら脱がないなんてことはないし、そもそも注文もつけません』と語っていた。脱ぐことをいとわない姿勢は、〝全国区〟になっても変わることはないでしょう」

 最近では、AmazonプライムのCMに出演。知名度が上がるほど、過去の脱ぎっぷりが再注目されているのだ。

(つづく)

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