男が元気になる「ネバネバ食材」完全ガイド(1)夏バテ知らずの絶品レシピ

 春というのに気温が30度を超えたのだから、夏になったら40度なんて軽く超えてしまいそう。そんな冗談みたいな懸念が意外にも当たりそうで、今夏は「酷暑必至」の予報が出ているのだ。今から〝夏バテ対策〟を考えねば、いや今日から始めても早くはない。だって、アッチのほうにも効果テキメンなのだから!

 関東や東海で今年初の真夏日(最高気温30度以上)を記録したのが4月21日のこと。熊谷市で30.4度を観測した埼玉県に至っては、熱中症の疑いで8人が救急搬送された。夏本番を前に早くも夏バテした人がいるではないか。このまま夏になったら大変だと思っていたら、何のことはない。2月に気象庁が地球温暖化の影響などで例年より気温が高くなると予想。すでに酷暑宣言をしていたのだ。

 そこで夏バテ対策の強い味方になるのが、「ネバネバ食材」だ。オクラ、なめこ、納豆に山芋、モロヘイヤなどなど‥‥これらを使ったメニューやレシピは、必ず「夏バテ防止」という文言がついて回る。が、「なぜなのか?」がイマイチわからない。そこで、健康検定協会管理栄養士の望月理恵子氏に解説してもらおう。

「オクラとなめこは、食物繊維の一種であるペクチンによってネバネバしています。ペクチンは胃で消化されず大腸まで届くことで、腸内細菌のエサになり、腸内環境を整えて、さらに血糖値の急激な上昇を抑える効果があります」

 ネバネバ食材の中でも、最も手軽に食べられるのが納豆だろう。パックを開けて、しょうゆを垂らすだけ。箸でかき混ぜれば濃厚なネバネバを味わえる。この正体とは‥‥。

「納豆菌がタンパク質を分解してできたグルタミン酸と、糖の一種であるフラクタンという物質です。これも食物繊維の一種で、ペクチン同様の効果が得られます」(望月氏)

 血糖値の急激な上昇は糖尿病に結びつく。体内の血液がドロドロになるのだから、他の生活習慣病を引き起こす危険性もある。その点、山芋やモロヘイヤのネバネバを摂ると、より病気予防に期待できるという。

「糖および糖タンパク質の粘性多糖がネバネバの正体で、マンノースという糖で構成されています。マンノースは生活習慣病だけでなく、免疫力向上による感染症予防など、様々な難病を緩和するとされています」(望月氏)

 実際、マンノースが1型糖尿病の発病を遅らせるとする医学論文が18年に発表され、効果に期待が集まっているほどだ。

 こうした科学的根拠に加えて、ネバネバ食材が夏バテに効くとされるのは、夏野菜のオクラやモロヘイヤなど旬の食材を多く摂ることからくる効能もある。夏野菜とはいえ、輸入物のオクラなどスーパーで年中、購入することができる。そこで、望月氏にネバネバ料理のレシピを考案してもらった。簡単に自炊できる。イチ早く試す価値はあるだろう。

<なめこと海藻の豆腐サラダ>

【材料】(1人前)1.市販のミックスサラダ1/2袋、2.海藻ミックス(乾燥)小さじ1/2、3.水煮なめこ25グラム、4.豆腐(ミニタイプ)1パック、5.ポン酢小さじ1、6.めんつゆ(3倍濃縮)小さじ1、7.ごま油小さじ1

【作り方】器に1、水で戻し水気を切った2、3を入れ、4をスプーンで食べやすい大きさにすくいながら盛る。5〜7を混ぜ合わせた調味料をかけて完成

<3色月見ネバネバ丼>

【材料】(1人前)1.オクラ25グラム、2.山芋25グラム、3.納豆1/2パック、4.生卵1個、5.かつお節適量、6.納豆のたれ適量

【作り方】1をゆがいて2の皮を剥いて、ともに5ミリ角に切る。1と2と3を器に盛り、その真ん中に4を割って入れ、5をたっぷりのせる。6をかけて全体をよく混ぜ、ごはんの上にのせたら完成

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