モスバーガーのテリヤキはテリヤキにあらず!?「ジョブチューン」で論争勃発

 人気ハンバーガーチェーン「モスバーガー」のテリヤキバーガーといえば1973年に日本のチェーンで初めて販売がスタートした看板メニュー。50年にわたって愛され続ける和風バーガーの代表格だ。
 
 そんな人気バーガーをめぐって、SNS上で論争が勃発。その引き金となったのは、5月6日に放送された「ジョブチューン ~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!」(TBS系)のジャッジ企画だった。モスバーガー従業員のイチ押しメニューを7人の名だたる料理人が審査し、「合格」か「不合格」かを判定していく。10品中、9品の合格を目指すモスバーガーが2位に推したのがテリヤキバーガーだった。
 
 商品開発担当者が見守る中、審査員たちの試食が始まる。気がかりな点があるのか、多くの審査員が微妙な表情を浮かべている中、「ハンバーガー日本選手権初代チャンピオン」の肩書きを持つ女性審査員は、首をかしげ、「う~ん」と一言。フランス料理店のオーナーシェフは、調理法について「照り焼きではなくて、焼いて(ソースに)くぐらせているんですか?」と質問。モスバーガーの担当者は「そうです」と答え、ソースにくぐらせた後に照り焼きの工程があるかどうかの質問に「焼いてはいません」と回答していた。

 微妙な空気が流れる中、判定結果が発表されると、7人中6人が「合格」の札を上げて、みごと合格を果たしたのだが…。ただ一人、「不合格」の裁定を下したのは40年以上の歴史を有する浅草の名店「レストラン大宮」の大宮勝雄氏。コメントを求められると、「普通のテリヤキは焼きながら(タレを)塗って焼いて、また塗って、みたいなのがベースになるところなんですよ。非常に大事なんですよ。ところが(パティに)ソースしかかかっていない」と製造法に問題点があると指摘。さらに商品名について「『テリヤキソースバーガー』ならコレ(合格)だと思うんですよ。テリヤキってついたら『焼き』っていうのはすごく重要なもんで、それを一言、言いたかった」と私見を述べた。

「結果的に『不合格』の札を出したのは一人だけでしたが、みなさん『照り焼き』という言葉と実際の調理工程にかなり引っかかっていた様子。おそらく最終的には味だけを重視して、ジャッジしたと思いますが、大宮シェフの見解も十分に理解できます。塗って、焼いてを繰り返して“照り”を出すのが“テリヤキ”なので邪道に映ったのかもしれません。ネット上では《テリヤキだと思っていたのはテリヤキじゃないのか》《ネーミングで不合格って厳しいな》《ソースにくぐらせただけでもいいじゃないか》などと様々な意見が寄せられていました」(メディア誌ライター)

 とはいえ、430円という価格設定で、本来の照り焼きにするのは至難の業かもしれない。

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