郵政民営化前の2007年9月より前に預けた「定期郵便貯金」「定額郵便貯金」など「満期」のある郵便貯金が、満期から20年2カ月経つと、権利が消滅し、国庫に入ることが報じられた。その額は、2021年度には過去最高となる457億円に達した。
この話題をいち早く取り上げたのが4月27日放送の日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」。権利消滅までのプロセスを解説した後、司会の宮根誠司が「太蔵ちゃんね、旧郵便貯金法のルールがいまだに適用されてるっていうのは変な感じが」と疑問を投げかけると、元衆議院議員でタレントの杉村太蔵は「金融機関の立場からすると、お預かりしているのもサービスですから、20年間なんの音沙汰もないんだったらそれはちょっと消滅しますよ、と。そりゃあそうですよ」と、ゆうちょ銀行の措置に理解を示した。
ゆうちょ銀行側は「満期」「満期後10年」「満期後20年」の節目に催告書を契約書の自宅に郵送しているとのことだが、約15万通のうち、約11万5000通があて先不明などで返送されているとのことで、この返送されてきた契約者について、自治体の協力を得て追跡調査を行っていることも紹介した。
転居した際、住所変更の届けが出されていないことについて、杉村太蔵は「住所変更、『住所変わります』ということはちゃんと消費者としては届けないと。そこまで金融機関が…住所変更しないで返ってきたの、ひとつひとつ追っかけていくなんて、そんな金融機関、世の中にないですよ」と契約者の怠慢を指摘。
これに読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏は「自分の持ってるものがどうなのかっていう、常時点検しておくことは必要」としながらも、「郵便局の方だって、努力しないとダメですよ」とコメント。杉村はこれに「そこまでしなくても」と真っ向から反論。さらに「飲み屋のボトルと同じですよ。一定期間、来なかったら流すでしょ? それと理屈は同じよ」と続けた。
「杉村さんの“ボトル発言”で、スタジオには微妙な空気が流れましたが、確かにほったらかしにしておくと権利が消えるという意味では郵便貯金もボトルキープも共通しているかもしれません。SNSでは《その理屈わかる!》《太蔵さんの言う通り》といった意見が見られました。しかし、橋本さんが言っていたように、郵貯の職員から熱心に勧誘されて定期の契約を結んだという人は多いはず。途中で解約したいと思っても説得されて断念したという声も聞きます。こうした経緯もあって、SNSでは《スナックのボトルと一緒にするなよ》といった批判の声も目立っていました」(メディア誌ライター)
口座を眠らせているのは本人だけとは限らない。親世代の分も含めて点検しておくことが必要のようだ。