「予備費5兆円が自民党の財布のように」田﨑史郎氏の政府批判に驚きの声

「物価高から国民生活守り抜く」(自民党公式サイトより)

 こんなキャッチコピーを掲げ、2022年度予算の予備費から2兆2226億円を支出すると閣議決定したのは3月28日のこと。低所得世帯の子育て支援に1551億円、輸入小麦の価格抑制に311億円、地方創生臨時交付金として1兆2000億円が投入されることになる。

 3月30日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一 モーニングショー」に政治ジャーナリストの田﨑史郎氏が出演。この予備費の使い方について苦言を呈する一幕があった。

 番組ではパネルを使って2兆2226億円の内訳を解説。羽鳥慎一アナが「予備費なんですよね?」と尋ねると、田﨑氏は「そうです」と回答して、「5兆円のうちの予備費の2.2兆円を使うということで、通常ですと、補正予算を編成して国会で議決されて支出されるのが普通なんですけど」とコメント。

 ここで羽鳥アナが「予備費は国会で審議しなくていい?」と質問。田﨑氏は「採決等は必要ないですね」と述べてこう続けた。

「これ自民党と公明党が好きな時に好きなだけ使っていい金が5兆円あるみたいなものなんです。果たしてそれがいいのか、と。自分たちの財布のようにして使ってるのがいちばんの問題だと思います」

 さらに続けて、

「こんなに予備費を積んだことは数年前までなかったんです。コロナで予備費を積むようになったんです。安倍政権で。コロナは緊急にお金が必要になることがあるんでそれはしょうがないと思ったんですけど、コロナが収まった後もまだやってるということなんです。これが問題です」

 と、政府に批判的な意見を述べたのだった。

 ふだんは政権与党を擁護するコメントが多いだけに、この田﨑氏の発言にSNSでは《田﨑さんがまともなこと言ってる》《岸田さんと何かあったのか》《自民党批判して大丈夫?》などと驚きの声があがっていた。

「田﨑さんはその後も、今回の予備費の使い方について『選挙目当て』と断言。統一地方選挙に向けた“ばらまき”であることを印象づけることに…。去る3月14日に岸田総理は都内でメディア関係者と会食しましたが、大手新聞社やテレビ局の幹部とともに田﨑さんも名を連ねていました。それだけ近い関係にありながら、公然と政府批判をしたことで、田﨑さんには称賛の声が寄せられています」(メディアライター)

 ばらまき政策を一刀両断してメディアの矜持を見せた田﨑氏と「モーニングショー」だった。

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