不祥事と謝罪連発のNHK、明かされた「犯罪発生率」とは

 NHKで謝罪や不祥事が多発している。

 3月19日に更新されたNHKの公式ツイッターで、18日に放送された「FACESいじめをこえて30min.」の告知で「誤解を招く表現があった」との謝罪があった。番組は過去にいじめを受けて辛いことにあった人がその経験を告白し、それを克服した経緯などを語るもので、18日の放送は歌手の中村中さんがクローズアップされた回だった。

 ところが中村さんは17日のツイッターで、自身が語っていない言葉が“加筆”されたとし、「真剣にインタビューに答えたので観て貰いたいですが人の心を逆立てるような宣伝はしないで欲しいです」と、静かだが厳重忠告とも言えるコメントをアップしていた。

「NHKではこの直前にも謝罪を連発しています。13日放送の『クローズアップ現代』で、取材した人とは別の人物の写真を使っていたことが分かっては謝り、その13日にはEテレの『ねほりんぱほりん』の公式ツイッターで、やはり事前に告知していた10日の投稿で不快な思いをした人がいたとして謝罪し、投稿を削除していました」(週刊誌記者)

 これらは番組もしくは番組宣伝で続発した謝罪だが、さらに深刻な不祥事では、2月に札幌放送局のアナウンサーが同僚の女子アナをストーキングし、マンションに侵入して逮捕されたことが記憶に新しい。そのショックが冷めやらぬ3月7日には、同じく札幌放送局の職員が女性を盗み撮りして逮捕されている。こうも不祥事、不始末が連続すると、さすがに内部でどうにかなっているんじゃないかと疑いたくもなる。

 今回謝罪した“加筆”といえば、21年末に放送された「河瀨直美が見つめた東京五輪」でも虚偽の字幕が“加筆”されたことが重く見られた。クロ現の写真取り違えも、取材相手のSNSにアップされていた別人の写真を勝手に、本人の確認なく使用したからで、これだけ問題が重なれば、番組制作の現場で勝手に改変が加えられることが常態化していると勘繰られても仕方がないだろう。
 
 不祥事については、20年に浜田聡参院議員がNHKの「犯罪発生率」に対して質問したことがある。その時は「率」についての回答は得られなかったとし、他の議員が公表資料から独自に試算した数字が報告されている。

「それによると、総務省の統計で18歳から65歳に絞った日本人の国内における犯罪率はおよそ0.78%で、NHKが公表している資料からはじき出されるNHK職員の犯罪率は0.029%なので、一般の約3分の1だったとされています。となるとさすがはエリートの集団ということになりますが、ところが比較的近い身分の国家公務員と懲戒処分発生率で比べた場合、国家公務員の0.047に対しNHKは0.187で、何と約4倍も多い数字になったということです」(同)

 NHKではみずほ銀行出身の前田晃伸・前会長が、幹部人事や採用に大きく手を突っ込む改革を行っては職員の反発を買って、今年から新会長になった稲葉延雄氏が前の路線の見直しを明らかにしたばかり。見直すべきは別の所にありそうだ。

(猫間滋)

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