この資格でナンボ稼げる?(29)ロマンをビジネスに「船の文化検定」!

 男のロマンを感じさせる職業の一つに「船乗り」がありますよね。

 世界の大海原を駆け巡る‥‥とまではいかなくても、いつかは「小型船舶免許」を取って、東京湾でクルージングでも楽しみたいと思っているのですが、その前にちょっと寄り道して取得したのが、「船の文化検定」(通称「ふね検」)。ボートやヨットといったプレジャーボート、小舟から大型船、商船、客船に至るまで、船の歴史や仕組みなどが学べる検定です。

 それではさっそく例題を見てみましょう。

〈問1〉30万重量トンの大型タンカーが、フルスピードで走っている状態で急にエンジンを停止した場合、船がほぼ静止するまでにかかる時間は、①3分、②5分、③15分、④30分のうちどれ?

〈問2〉18世紀初頭、カリブ海で最も恐れられた海賊といえばエドワード・ティーチですが、そんな彼の異名は、①白髭、②黒髭、③赤犬、④金獅子のうちどれ?

 実際の問題も、マークシート四肢択一方式で出題されます。問題の答えは〈問1〉が④、〈問2〉が②となっています。

 受験料は「初級」「中・上級」ともに3000円(税込)で、試験開催地は北海道、東京都、新潟県、愛知県、福岡県など全国主要都市。ちなみに私が初級の試験を受けたのは、お台場にある船の科学館でした。

 初級に関しては、市販の問題集をしっかり勉強すれば、難易度的にはそれほど難しくはないと思います。

 海運・造船などの業界で働いている人ならば、仕事に大いに役立つのはもちろん、「船博士」の称号を得たうえで船舶ビジネスを展開するのもいいでしょう。

 実際、オプションでクルーズ企画が盛り込まれている国内ツアーはたくさんありますし、最近では脱サラしてこだわりの小舟造りを商売にしている方もいるようです。

 また、東京湾上でお酒を飲みながらライブ鑑賞などもできる船上バーが人気を集めているようですが、船の文化を知ることで、何かしらビジネスのアイデアが思いつくかもしれませんね。

 起業とまではいかなくても、船に詳しくなることで、映画やアニメに別の楽しみ方が加わるかもしれません。例えば「ワンピース」に登場する海賊団の船大工が、船をどんなふうに修理しているか、あるいは「ガールズ&パンツァー」の作中に「いかり結び」という言葉が出てきましたが、それがどんな結び方なのか、知っているのと知らないとでは感情移入の度合いも違ってきますよね。

 海を舞台にした作品はたくさんありますから、船に詳しくなれば、「この作者はちゃんと船の帆を正確に描いているな」とか「この船のアンカー(いかり)の形状はマッシュルーム型だ」などのディテールにも気づけて、さらに楽しめるというわけです。

 海にロマンを感じるなら、受けておいて損はない検定です。

(すずき・ひであき)

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