岸田内閣が空洞化している。昨年の4大臣ドミノ更迭にとどまらず、今年は長男・秘書官の外遊お土産ツアー、さらにはスピーチライターを務める秘書官の「LGBTQ」差別発言でトドメを刺す始末。急速に求心力を失う総理に仇敵たちが次々と矢を放った。哀れ、政界四面楚歌となった総理の断末魔が聞こえてくる!
ついに〝岸田下ろし〟ののろしを上げたのが菅義偉前首相(74)だ。
1月10日発売の「月刊文芸春秋 2月号」では「派閥政治と決別せよ」と訴え、いまだ宏池会の会長を続ける岸田文雄総理(65)を痛烈批判。さらには訪問中のベトナムでの記者会見では、「歴代総理の多くは所属会派を出ていた。みずからの理念・政策よりも派閥の意向を優先するようなことはすべきでない」と一刀両断に断罪したのである。
政治部デスクが解説する。
「菅氏は20年の総裁選に不出馬となり党内で無役の身となって以降は、自身が進めるカーボンフリー施策で地方巡回するなど、地道に活動していた。昨年夏、旧統一教会問題などでピンチとなった岸田政権からは何度も入閣の打診を受けているが、いずれも固辞しています。もはや岸田政権をドロ船と見限っているのです」
あげく反岸田の最右翼として次期総理に担ぎ出したのが萩生田光一政調会長(59)だ。
「菅氏は先の総裁選では河野太郎デジタル相(60)に票を投じたが、閣内にいる河野氏では打倒岸田にならないと判断し、萩生田氏を逆指名したようです。最近、ネットテレビに出演し、次期総裁候補として『度胸もある』と萩生田氏の名前を挙げています。ともに官房長官、官房副長官と安倍政権を支えた2人の信頼は厚く、重要な会議には必ず萩生田氏を内輪に入れていたほど気に入っている。共に秘書上がりの叩き上げ議員として相通じるところがあるのかもしれない。萩生田氏も『私で役に立つことがあれば』と、空席の安倍派会長の座に名乗りを上げている。菅氏は萩生田氏を援護射撃し、ジリ貧の岸田内閣を兵糧攻めに追い込もうとしている」(政治部デスク)
「防衛増税」を打ち出した総理に対し、「国債発行も選択肢」と真っ向からタイマン勝負を突きつけた張本人が、このバンカラ政調会長ではなかったか。
党内からサンドバッグのように批判を喰らう総理を護ろうともしないのが茂木敏充幹事長(67)だ。
1月25日の衆議院本会議の代表質問で、児童手当の「所得制限なし」を訴えて国会内ではどよめきの声が上がった。
「完全にフライング発言です。その後、岸田総理は『それも1つの意見』と火消しに終始したが、本来は党内で意見をすり合わせていなければおかしい。テレビ中継の入る国会本会議で発言したのは、岸田総理の『異次元の少子化対策』で主導権を握ろうというパフォーマンスでしかない」(政治部デスク)
昨年の旧統一教会被害者の救済新法を巡っては「俺がやる!」と独断で野党との調整に乗り出し、かえって現場を混乱させたのがこの茂木幹事長だった。官邸キャップが打ち明ける。
「党内では林芳正外相(62)と並ぶ頭脳明晰さを称えられるが、プライドが高く、なにかにつけブチギレる。同じ派閥の加藤勝信厚労相(67)とライバルと報じられただけで激高したそうです。マスコミにもだんまりなため、各社は担当に女性記者を送り込み懐柔しているほど。昨秋、『岸田、麻生、私』と3人で政策を決めているとする〝三頭政治〟発言もあったが、今では完全にスキマ風が吹いている。あまりの出しゃばりぶりに業を煮やした岸田総理は、改造内閣などで真っ先に幹事長を交代させたい意向です」
4月の衆院補選でコケれば真っ先に幹事長のクビが吹っ飛びそうだ。
*週刊アサヒ芸能2月23日号掲載