創業からわずか10年で世界100カ国、5000店舗以上を展開する中国発の生活雑貨チェーン「名創優品」。ロゴや商品デザイン、店内のレイアウトを見ればピンと来る人も多いが、そのウリは日本っぽさ。「ユニクロとダイソー、無印良品を3で割ったパクリチェーン」と揶揄されるほどだ。
実は、あまり知られていないが日本にも14年に上陸。東京に本社を構え、首都圏や福島、宮城に出店していたものの、21年末にコロナ禍の影響などで国内全店舗が閉店している。
「日本企業じゃないとの批判をかわすため、既成事実目的の進出とも言われています。しかし、中国国内で反日感情による批判の声が上がったことで脱日本化にシフト。そもそも今やニューヨーク株式市場にも上場する世界的企業で、マネしなくても十分勝負できる。業界では日本再上陸も時間の問題と言われています」(流通ジャーナリスト)
中国チェーンに対する偏見もあり、消費者の多くは品質がイマイチと思いがちだが決してそんなことはない。ネット上でも中国在住の日本人の間では《日本の百均チェーンと比べても遜色ない》《全体的なデザインは、ダイソーやキャンドゥよりも上》などむしろ評価する声も聞かれる。
「それは同社のプロダクトデザイナーを日本人が務め、ノルウェーとデンマークのデザイナーチームが支えているからでしょう。創業者の葉国富氏もパクったとされる3社のことを『かなり研究した』と中国メディアの取材で明かしています。実際、10元(約200円)からという価格帯もあり、大手百均チェーンの商品と比べても同等かそれ以上のものが多い。300円ショップの『3COINS』、500円以下の商品を中心とした無印グループの新業態店『無印良品500』と十分張り合えるレベルだと思います」(前出・ジャーナリスト)
もはやパクリチェーンと見下すことはできないかも。