大谷翔平の威を借りてエンゼルスがアナハイム市に強気のディール!

 OHTANI人気がアナハイム市の市議会まで動かしてしまいそうだ。

 打者に専念する今季、大谷は開幕戦に間に合わないとの見通しが発表されたが、昨年10月にメスを入れた右肘の回復具合が遅れているというわけではない。とはいえエンゼルスにすれば、大きな戦力ダウンである。

「大谷の出遅れと前後して飛び込んできたのが、エンゼルスと地元・アナハイム市との契約です。当初、エンゼルスはアナハイム市が所有権を持つ現本拠地球場の長期使用契約を交わしていましたが、昨年中に破棄しています。新たな契約が交わされ、1年間だけ延長し、2020年までとなりました」(在米ライター)

 これは、球団と地元自治体の駆け引きだ。

 本拠地「エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム」は1966年に開場された歴史ある野球場だが、ロッカールームや通路などの老朽化が激しく、通信設備も最新のものを揃えていない。エンゼルスは何度も改修工事を訴えてきたが、予算不足のためか、市議会は動いてくれなかった。

「大谷を抱えた今だからこそ、エンゼルスは強気な交渉に出られると判断したのでしょう」(前出・在米ライター)

 大谷がメジャーデビューした昨季、二刀流への関心の高さにより、エンゼルスの観客動員数は急増した。今季も日本からの観戦ツアー客が大勢詰めかけることが見込まれ、大谷効果による収益増はアナハイム市も実感しているはずだ。

「ラスベガス市はメジャーリーグの公式戦が開催できる球場を建造していますし、球団に移転を呼び掛ける自治体はラスベガス市だけではありません」(前出・在米ライター)

 エンゼルスは「改修工事が具体化しなければ、大谷を連れて出て行く」くらいの”脅し”をかけたのかもしれない。球団が大谷のリハビリにより慎重になる理由は、この辺りにもありそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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