鈴木エイトが激白!「安倍元総理銃撃当日に衝撃情報が…」(4)取材過程で危ない目にも…

─それにしても、20年間、教団を追及されてきたエイトさんの原動力とはなんでしょう?

 おかしな話ですが、私は正義感でこの問題を追及しているわけではないんです。もちろん当初は統一教会であることを隠して偽装勧誘するのはおかしいという問題意識はありました。ただ宗教戦争と同じで、正義をぶつけると相手の正義とぶつかってしまうだけです。正義を全面に出して戦うのはよくないと思っています。実は私には悪いクセがあって、取材で相手が怒っているのを見るとつい笑ってしまうんですよ(笑)。特に自分に対して激怒している人を見ると思わずニヤニヤしてしまい、余計に相手を怒らせてしまったこともある。

─取材過程で危ない目にもかなりあっている?

 渋谷で勧誘を阻止して、教団勧誘員にブン殴られたことも何度かあります。でも殴られたらこいつを現行犯で逮捕できるからラッキーぐらいな感じです。最近、数年前に教団側が作った僕の対策マニュアルを入手しました。鈴木エイトが取材に来たら、肖像権を主張しろ、仲よく一緒に写真を撮れ、など対処マニュアルが書かれていた。また文書は出てきてないが、「鈴木エイトをなんとかしろ」と内部で言われているようで、警戒はしていますね。

─ある政治家には「鈴木某は許さない」と言われたとか?

 私をおもしろく思っていない政治家は大勢いるでしょうね。でも個人的になんとかやっつけてやろうという思いはありません。菅原一秀元経産相、下村博文元文科相、萩生田光一政調会長、みんな嫌いではありません。むしろ、おもしろいコンテンツを提供してくれる大好物なんですよ。

─頼もしい。今後も鉄面皮の化けの皮を剥がしてくれることを期待しています。

 15年に教団が名称変更を行った際、それを報じる週刊誌は少なかった。21年のUPFへのビデオメッセージでさえ同じです。ただ、一般メディアに対しても、なぜこんな大事なことを報じないのか、という憤りは特にありませんでした。霊感商法などはすでに過去の問題とされ、教団は旬ではなかったので仕方ないと思います。今は、私は1つのコンテンツをコツコツ追っかけてきたのが陽の目を見たという扱いですが、実際、ここまで1人でやってきたのが、今はマスメディアがチームジャパン的に取り組んでいる。仲間ができた感じがしています。

─最後に、読者にメッセージをお願いします。

 人の考え方を変えようとは思いません。私のスタンスはあくまで判断基準の材料を提供することだと思っています。事件直後、安倍さんと教団の関係が全く出ない状況で、テレビのコメンテーターの中には容疑者の勘違いだとか陰謀論まで口にする人がいた。

 ぜひ、私の本と安倍さんの功罪の功の部分を一緒のテーブルの上に並べて判断してもらえればうれしいですね。

鈴木エイト:滋賀県生まれ。日本大学卒。ニュースサイト「やや日刊カルト新聞」副代表、主筆を歴任。主にカルト宗教、カルト2世などのテーマで執筆。今年9月に刊行した『自民党の統一教会汚染追跡3000日』(小学館)は8万部を超えるベストセラーに

*週刊アサヒ芸能12月29日号掲載

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