現在、山小屋での狩猟生活を送る俳優の東出昌大。そんな彼が昭和を代表する詩人・三好達治を演じた主演映画「天上の花」が9日から公開され、それに先駆けて4日・5日にはプロモーション用のインタビュー動画が配信されている。途中まで作品や役柄についての話だったが、後半になると東出は最近の狩猟生活のエピソードなどを交えて語っている。
なかでもネット上をザワつかせたのは、「自身にとっての愛」について尋ねられたとき。三好達治が師と仰ぐ、彼の妻で大正・昭和初期に活躍した詩人・萩原朔太郎の妹の慶子との愛憎劇という映画のストーリーに絡めた質問だったが、少し唸った後に東出が挙げたのはネット上で見つけたというチンパンジー親子の動画。亡くなったと思った自分の子どもが動き出し、ギュッと身体を掴んで身体を揺すったそうで「愛だなぁとすごい思いました」としみじみ語っている。
さらに東出節は止まらず、「親鹿を捕ると小鹿がその周りで鳴いてたりするんです」「それでも僕は身近の好きな人や友人に鹿肉を振る舞って、みんなで食べて……」など狩猟者目線での発言を連発したために、《もはや俳優が話す内容じゃない》《山小屋での狩猟生活で悟りでも開いたのかな》といったコメントが多数寄せられている。
「もともと高い演技力があるわけではないが、今回の作品では難しい役どころを好演。自然と共存する狩猟生活が本業にいい影響を与えたのか、役者として一皮剥けた感じがするし、今後の復活の足がかりになるはず」(映画プロデューサー)
ちなみに狩猟愛好家の俳優としては、東出と映画「聖の青春」(16年)と「BLUE/ブルー」(21年)で共演した松山ケンイチも有名。東京と地方の二拠点生活を送り、今年1月には女優で妻の小雪と獣皮を活用したライフスタイルブランド「momiji」を立ち上げている。
「彼も同様に狩猟や田舎暮らしを始めてからはコメントの内容が変わったひとり。『演技に深みが出た』と評する映画関係者も多い。東出にとっては身近なロールモデルかもしれません」(前出・プロデューサー)
狩猟は動物の命をいただく行為。キャリアを積んだ人気俳優でも人生観を変えてしまうようだ。