「リア王症候群(シンドローム)」とは、シェイクスピアの悲劇『リア王』になぞらえた中高年の不機嫌に発するモンダイ行動のこと。話題の『リア王症候群にならない 脱! 不機嫌オヤジ』を上梓した齋藤孝教授に聞いた。
「年齢を重ねると、いろいろな場面で、こらえ性がなくなって怒りやすくなり、ついキレてしまう。あるいは自分勝手になり、傍からは横暴に見えるような行動をとってしまうことが起こってきます」
と齋藤教授は言う。
そういうふるまいをして、会社や地域社会でさまざまな問題を起こす中高年男性は、周囲に不機嫌な空気をまき散らし、あげく、疎んじられるだけでなく、場合によっては性的ハラスメントやパワハラで訴えられ、当人自身も不幸な後半生を過ごすことになってしまうと警鐘を鳴らす。
そして平成が終わり令和を迎えた今、昭和の時代に人格形成をしたオヤジたちは、時代の変化に対応できず、今後大きな問題になってくると指摘するのだ。
齋藤教授はキレやすくて横柄で横暴になりがちな中高年を、シェイクスピアの四大悲劇の一つ『リア王』になぞらえて「リア王症候群」と命名。
人生100年時代に、不機嫌のもとを断ち切って、上機嫌に生き抜く処方箋=トリセツを公開した!
齋藤孝(さいとう・たかし):1960(昭和35)年、静岡県生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。『声に出して読みたい日本語』(草思社・毎日出版文化賞特別賞)がシリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームに火をつけた。著書の累計発行部数は1000万部を超える。