「年末ジャンボ」家計ひっ迫でも「夢がない!」還元率の低さを嘆く声

 11月22日から、毎年恒例の1等・前後賞合わせて10億円が当たる「年末ジャンボ宝くじ」の販売が全国で開始された。長引くコロナ禍や物価高が続く中、販売初日には高額当選に期待を膨らませて多くの人が売り場に行列を作ったが、ネット上では改めて《日本の宝くじは還元率が低すぎて夢がない》といった指摘も見られる。

「数々の億万長者を輩出したことで知られる東京・銀座の宝くじ売り場『西銀座チャンスセンター』には販売開始3日前から並ぶ人が現れ、発売時間までにはおよそ300人の行列が出来ていました。この他にも、全国各地で名物売り場に行列が見られるなど、一発逆転を夢見て多くの人が宝くじを求めているようです。なお、22日は1等・前後賞合わせて5000万円が当たる『年末ジャンボミニ』も同時に売り出されていて、どちらも抽選は大みそかにおこなわれます」(社会部記者)

 しかし、宝くじは「当せん金付証票法」で「当せん金の総額は発売総額の5割以下」と定められており、昨年の実績でも50%を割り込んでいる。売上金の使途の内訳は実績ベースで、約12%が印刷代と販売手数料、約40%が公共事業費、約1.3%が社会貢献広報費となっている。そのため、一攫千金の夢を見る人がいる一方で、《日本の宝くじは還元率が低すぎて夢がない。他のギャンブルより当たる確率もかなり低い》《国家ぐるみで騙されているような気分》《海外の宝くじで何百億円当たったってニュースを見ちゃうと、年末ジャンボもしょぼく感じちゃう》など、冷めた意見も少なくない。

「ちなみに、今年の年末ジャンボ宝くじの還元率は49.9%となっています。ちなみに、総務省の宝くじ問題検討会が公表した平成22年のデータによると、世界と比較した宝くじの課税前の還元率は日本がワーストで、中国やドバイと比べると2割以上も低い数字となっているのです。11月8日にはアメリカの数字選択式宝くじ『パワーボール』で、世界史上最高額である20億4000万ドル(約2970億円)の大当たりが出たというニュースが報じられたばかり。それと比べると、日本の宝くじには夢がないと感じてしまうのも頷けます」(フリージャーナリスト)

 ともあれ、購入しなければ何も始まらない年末ジャンボ。今年はどうする?

(小林洋三)

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