キングカズ流「ハイブリッド疲労回復」5カ条(2)夜10時までに寝て朝6時に起床

 キングカズは、入浴にもこだわりを持っている。

「主に『41度の温水6分、18度の冷水4分を少なくとも2セット行う』という温冷交代浴をやっていて、昔からアスリートや学生選手の間では、ケガの治癒に有効な方法だと言われていました。熱い湯と冷水を繰り返すことにより、組織のターンオーバーを促すことが、ケガの早期治癒につながるんです」(柔道整復師の平野勝彦氏)

 サウナ愛好家にはおなじみの入浴法だとはいえ、年齢や疾患の有無により、リスクが生じることも。

「心臓疾患のある方はリスクが高いのでヤメたほうがいいですね。温冷交代浴は、それぞれ10度の差があればいいという説もあります。なので一般の方は、40度の湯を張った浴槽に浸かったあと30度のシャワーを浴びる‥‥というのを交互に行うくらいでも、効果があると言われています」

 睡眠時間も疲労回復の重要なファクターだ。平野院長が注目するのは「起床時間を一定にしようと心がけていること」だという。

「『朝6時には目覚めるので、夜10時までには就寝するようにしている』そうですが、このリズムを一定にすることが大切なんです。リズムが一定だと、レム睡眠とノンレム睡眠をほどよく取ることができ、睡眠の質が向上するのです」

 ちなみに寝酒は〝入眠の頼れるサポーター〟と思われがちだが、注意が必要だ。

「寝入りばなはリラックスしますが、甘い物と同様、ドーパミンが出るので、その後、覚醒してしまう。さらに利尿作用もあり、何度もトイレに起きるなど睡眠リズムが崩れがちになる。カズさんは『シーズン中は一滴も飲まない』そうで、さすがだなと思いますね」

 食事、ストレス解消(甘い物)、入浴、睡眠の次はメンタルだ。最年長得点記録更新にしても「なんだ、PKかよ」といった辛辣な声も聞こえてくる。

「カズさんは『他人をあまり気にしないほうがメンタルは安定する』と答えていますが、これは人間にとって永遠の課題ですよね。カズさんのように身体を生業にしている方は、特に一つのことに依存せずにリスク分散を考えて生きていると思います。僕たち一般人もそれにならって『これがダメでも俺にはあれがある』などとリスク分散し、周囲の言動に惑わされずに生きていきたいですね」

 キングカズのように元気でいるためにも「疲労回復健康法」を生活に取り入れてみてはいかがか。

*週刊アサヒ芸能11月10日号掲載

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