「77歳」タモリ流「脱力健康法」7カ条に学べ!(2)「洗わない入浴法」が話題に

 医学的にも理に適う食生活を送る中、運動においても一家言を持つ。

 先の新CM発表会の席でも、「散歩する時は足を少し上げて歩く。ダラダラ歩いても効果がないと思うので、足に負荷をかけたり坂道を登ったり」と、意識的に体を動かしていることがうかがえる。ワイドショー関係者が振り返る。

「昨年9月13日、『ノンストップ!』(フジテレビ系)に出演した時にも散歩について言及し、『雨が降っていない限り散歩する』『電車に乗って下町のほうに行ってみたり』と飽きないようにくふうしていると話していましたね」

 今年10月12日には、自身が訪れて撮影した87カ所の坂を掲載した「お江戸・東京 坂タモリ 港区編」(ART NEXT刊)を18年ぶりに上梓。知的好奇心の赴くままに足を運ぶ〝坂道歩き健康法〟の実践書としても話題を呼んでいる。

医学博士の中原英臣氏も感心しきり。

「運動が続かない人でも、散歩は続けやすいもの。『雨の日は散歩しない』という適度さも続けやすい理由のひとつですね。私自身は散歩は苦手ですが、それは街歩きから派生する趣味がないからなんです。その点、タモリさんは坂道や街の歴史に思いを馳せるという趣味がある。歩くたびに出会う新鮮な発見が、やりがいに繋がっているのでしょう」

 さらに、15年頃には「タモリ式入浴法」が福山雅治やローラなど、芸能界を中心に多くの実践者を生み出し話題となった。

 その方法は38度の湯に10分ほどつかるだけで、石鹸などで体を洗わずに入浴するというものだ。中原氏は「体はたまには洗ったほうがいいですよね。常識の範囲内で」と補足しつつ、浴槽への入り方については太鼓判を押す。

「高齢者が最も死亡する場所は風呂場ですからね。特に冬場は、急な温度差により血圧が急激に変化してしまうし、長時間入り続けることで体に負担がかかります。だから、タモリさんの入浴の仕方は高齢者の理に適っていると言えます」(中原氏)

 そして、さらにもうひとつ、タモリの名語録をひもとくと、自身の健康法の根幹が見えてくるのだ。

「座右の銘は『適当』や『現状維持』で、インタビューや出演番組では『向上心なんてない』『ハングリー精神は邪魔』『目標を持って努力して頑張るのがいいことのような風潮に違和感がある』など、タモリさんは数々の無欲さを表す言葉を残しています」(スポーツ紙記者)

 無欲と健康の因果関係について、中原氏が解説する。

「無欲ということは感情の起伏が少ない‥‥つまりイライラせず、怒らず、穏やかに暮らすということでしょう。私自身は、例えば車で渋滞に遭ったりすると、そのたびにイライラしてしまいますが、体にいいわけがないんですよ(笑)。穏やかに暮らしたいけれど、タモリさんのように体現できる人は、なかなかいないですよね。尊敬します」

 すべて「当たり前のことを、おざなりにせずにやっているだけ」(中原氏)というタモリ流の健康法「7カ条」、自分ができる範囲で、今日から真似していいとも!

*週刊アサヒ芸能10月27日号掲載

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