読売ジャイアンツは本日も憂鬱なり(3)主力の大幅年俸ダウンは避けられない

 風当たりが強まっているのは、原監督も同様だ。シーズン残り10試合を切る中、チームはCS争いの3位滑り込みを目指す苦しい借金生活に喘いでいる。5年ぶりにBクラス転落の危機を迎えているのだ。

「9月14日時点(以下同)で5位の巨人は最下位・中日と4.5ゲーム差となり、残り試合数を考えれば確かに最下位転落は非現実的な数字と言えます。とはいえ75年以来、球団史上2度目となる、まさかの最下位フィニッシュを回避できたとしても、CS進出を逃して4位以下に甘んじれば、全権監督の責任問題が取り沙汰されるでしょう。今季は3年契約の1年目で、本来は去就問題に火がつくことはありえませんが、メディアやファンも黙っていない。そうなると原監督自身が第1次政権時の03年終了時に自らケツをまくった電撃辞任の再現が予想されます」(球団関係者)

 そうした事態の想定は、取り越し苦労とも言えないようだ。すでに球団幹部の間では、〝有事〟に備えているというのである。

「原監督の後任として、前任監督だった高橋由伸氏(47)をリストアップしていると言われています。これまで次期監督として名前が挙がってきた阿部慎之助(43)や元木大介(50)、桑田真澄(54)の一軍コーチ3人は今季のチーム低迷を招いた指導力不足の責任を問われ、候補から除外されつつある。原監督が来季も続投になったとしても、この3人の去就は不透明で、大幅な内閣改造は避けられないのではないか」(球団関係者)

 選手にも今オフは〝粛清の嵐〟が吹き荒れるとささやかれている。別の球団関係者は「チームが2年連続V逸、さらにCS進出も逃せば、オフの契約更改交渉で主力選手たちの年俸大幅ダウンは避けられないでしょう」と早くも予告し、次のように続ける。

「4番に定着した中田翔(33)、リードオフマンの吉川尚輝(27)、チーム唯一で自身にとっても初の2桁勝利をあげている戸郷翔征(22)、ルーキーながら新守護神を任されている大勢(23)らは低迷したチームの中で存在感を発揮し、年俸アップが十分見込めます。ただし、大半の主力は軒並み〝厳冬〟になるでしょうね。エースの菅野智之(32)は9月13日のヤクルト戦でようやく8勝目を飾りましたが(19日のDeNA戦で9勝)、粘投したとはいえ、村上の54号ソロを含む3本塁打を被弾。7回4失点と手放しで褒められるような内容ではなかった。ここまでシーズン全体を振り返っても巨額年俸(推定6億円)に見合った活躍ができているとは言いがたい。4番を剥奪された岡本和真(26)とともに、チーム低迷の戦犯として大減俸となりそうです。19年から5年契約を結んでいる坂本も4年目以降は変動制で、故障による2度の戦線離脱とパッとしない成績、そしてスキャンダルを引き起こした〝内々のお灸〟も加味して、今季年俸(推定6億円)から下げられるかもしれません」

 日本プロ野球界では、本塁打記録を次々と更新する〝村神様〟が注目を独占し、ヤクルトを2年連続のVへ導こうとしている。くっきり分かれた「明・暗」の差を、巨人軍は噛みしめてほしい。

*「週刊アサヒ芸能」9月29日号掲載

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