人身事故が原因ではない!? 列車の「運休/遅延」が激増のワケとは

 8月26日、国土交通省は2021年度版「鉄軌道輸送の安全に関わる情報」を公表し、30分以上の列車の遅れや運休などによる「輸送障害」が増えていることが明らかとなった。国交省は輸送障害の増加について、災害の増加を要因に挙げているが、ネット上では《人身事故が増えているからでは?》と指摘する声もある。

「鉄軌道輸送の安全に関わる情報」によると、昨年度の輸送障害は6409件発生し、前年度から187件増えるなど増加傾向にあり、30年前の1992年と比較すると2.5倍になっているんです。これについて国交省の担当者は『ゲリラ豪雨など自然災害の激甚化が背景にあるのでは』と推測しています」(社会部記者)

 しかし、これにネット上では《データを見る限り、輸送障害の原因としては災害よりも外部原因の方が圧倒的に多いんだが。自然災害というより人身事故が増えているからでは?》《コロナ禍になって人身事故が増えたって聞いたことがある。去年の後半から値上げラッシュも止まらないし、生活が苦しい人も多いことも影響しているのでは》《毎日通勤電車に乗っている者の実感としても人身事故がやたら多くなった気がする》など、人身事故が輸送障害の原因と指摘する声が多く見られる。

「20年3月には、すでに鉄道における人身事故が週30件超に増加しているとの報道もあったことから、コロナ禍で飛び込みによる自死が増えているという印象を持っている方も多いのかもしれません。ただ、実は『鉄軌道輸送の安全に関わる情報』によれば人身事故自体は5年連続で減少しており、21年度は276件と、ここ30年では最も少ない数字になっているんです。事故が減少しているのは、ホームドアを設置する駅が増えたことも大きな要因のひとつでしょう」(鉄道ジャーナリスト)

 やはり自然災害の影響が大きいということか。

(小林洋三)

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