9月1日公開の映画、さかなクンの半生を描く「さかなのこ」が話題だ。
注目の理由は、唯一無二のおさかなタレントであるさかなクンの半生が映画化されること。そして、さかなクン役をのんが演じるからだ。のんといえば、能年玲奈時代にNHK朝ドラ「あまちゃん」で大ブレイク。劇中のセリフ「じぇじぇじぇ」は当時の流行語にもなった。そんな彼女が、今度はさかなクンの決めセリフ「ギョギョッ」をスクリーンで披露するというのだから、ファンならずとも興味をソソられるではないか。
さかなクン役がのんだと発表されると一部驚く声もあったが、概ね「全然違和感ない」「魚のかぶり物ものんちゃんならピッタリ」「ギョギョッと言ってほしい」「のんがさかなクンというだけで見たくなった」と、純粋に“ナイスキャスティング”といった受け止め方だった模様。
ところが、徐々に「妙なムード」が流れ始め‥‥。
「映画の冒頭で『男か女かはどっちでもいい』というキャッチコピーが映し出されるようですが、それはいいとして、それ以外でも監督がのんさんについて『中性的な魅力がある』だとか『性別は重要ではないというドラマを作れないかと思った』などと、最近映画界でとみに意識されているジェンダー絡みのコメントが目立ったんです。メディアの報道もそれに共感するような記事が多くなって、純粋にのんさん主演に喜んでいる人たちからは『のんちゃんで見たいと思ったのに、性別は関係ないとか変なアピールしすぎで引く』『純粋にのんが一番ピッタリだったと言えばいいのに』『違和感を覚えているのが実は制作陣なのではないか』と、ジェンダーレス前面に押しによってワクワク感が削がれると苦言を呈する人もいましたね」(エンタメ誌ライター)
さかなクン=のん。このキャスティングに歓喜した人は、そもそもジェンダー問題など頭になかったのでは? 妙な社会的主張が「ギョギョッ」の楽しさを奪ってしまわないか心配でならない。
(塚田ちひろ)