6月26日、世界最大のスーパーマーケットチェーンである米ウォルマートが、傘下の「西友」を再上場させると明らかにした。ウォルマートは2008年に西友を完全子会社にした際に上場を廃止、米本社主導による経営を行ってきたが、日本サイドに任せ、地域特性に合った経営を進めるという。
「西友はナショナルブランドを安値販売する“KY(カカクヤスク)”や対象商品を長期間低価格で販売する“プライスロック”など、米ウォルマート流のエブリデー・ロー・プライス戦略を仕掛けて来ましたが、結局は競合他店と比べてもそれほど安くもなく、客離れが進行。7年連続で赤字を記録するなど苦しい状況にありました」(経済部記者)
そのため、かねてよりウォルマートの西友売却情報が度々流れ、中でもパン・パシフィック・インターナショナルHD(旧ドンキホーテHD)が有力な買い手と言われていた。
「結局、そうした水面下での交渉がまとまらなかったことから、上場による再出発に舵を切ったのではないかと見られています。ただ、上場にあたり“地域性に合った経営”を目指すというものの、低価格路線で失敗した状態からどんな策を打つのか、具体的なところは不透明。西友は駅前などの好立地に店舗を構えていますが、老朽化が著しい店舗が多く、今回のニュースを受け《まずは改修が先だろ》との意見も多く上がっています。立て直しは決して楽な道のりではありません」(経済評論家)
設立から56年。老舗スーパーチェーンの運命やいかに。
(小林洋三)