テレビ朝日の看板番組「報道ステーション」の月曜〜木曜日のメインキャスターを務める元NHKの大越健介氏が、10月から金曜日も担当することがわかった。8月10日、複数のメディアが報じた。
NHK時代は政治部記者、ワシントン支局長などを歴任し、2010年から5年間、「ニュースウォッチ9」のキャスターを担当。21年6月、NHKを定年退職後、同年10月から「報ステ」の月曜〜木曜日のメインキャスターに就任した。10月から同番組が放送されるすべての曜日で、大越氏が主役の椅子に座ることになる。
現在、同番組の金曜日は元テレビ朝日でフリーの徳永有美アナウンサーと同局の板倉朋希アナがメインキャスターを担当。10月以降は大越氏を加えた3人体制となる。
大越氏は21年、「報ステ」のメインキャスター就任後は視聴率に苦しんだ。ところが、3月14日配信の「デイリー新潮」によると、2月に流れが変わったという。ロシアがウクライナに侵攻を開始して以降、視聴率は徐々に上がり始めた。ロシアとウクライナの複雑な問題に、大越氏がわかりやすく、しかも鋭く切り込んでいったのがV字回復の1つの要因だと分析している。
「報ステ」は21年度まで3年連続で同時間帯横並びの視聴率トップを獲得。その立役者の1人が大越氏であることは間違いない。金曜日の担当を任せるのも局側の強い意向があると思われるが、徳永と板倉アナの心中やいかに。
「複雑だと思います。徳永アナは2003年、お笑いタレントの内村光良との不貞が発覚し05年にテレ朝を退社。ほとぼりが冷めた18年10月に『報ステ』のメインキャスターとして復帰しました。当初は月曜〜木曜日を担当していましたが、出番は徐々に減り、今は金曜日のみです。その金曜日に大越氏が参入するとあれば、自身の居場所がなくなると感じてもおかしくはありません。一方、板倉アナは今年4月、退社した富川悠太アナに代わってメインキャスターに就任。安定した進行に定評がありますが、わずか半年で大越氏にメインの座を明け渡すことになります。局アナとしての面目は丸つぶれです。局アナを本気で育てる気があるのかと、局に対して憤りを感じていてもおかしくありません」(テレビ誌ライター)
10月以降、「報ステ」をどうまとめるのか。大越氏の手腕に注目だ。
(石田英明)