「喧嘩したらアカンで!」張本勲の喝に江本孟紀がビビりまくったドラフト外入団の日

 元プロ野球選手、現在は野球解説者の江本孟紀氏と言えば、巨人、阪神などの人気球団や大御所に対しても歯に衣着せぬ物言いが特徴だが、新人の頃には、脂汗を浮かべ、緊張のあまりガクガクと震えていた‥‥。
 
 そんなエピソードを江本氏が披露したのは、元プロ野球選手で楽天の初代監督を務めた、田尾安志氏のYouTubeチャンネル〈田尾安志【TAO CHANNEL】公式YouTube〉(7月17日)だ。
 
 江本氏は、時期外れの71年2月にドラフト外で東映フライヤーズ(現、北海道日本ハムファイターズ)に入団。この頃、東映で存在感を発揮していたのは、張本勲氏だった。70年までに張本氏は首位打者を5度獲得しており(通算では7度)、打力において押しも押されもせぬ東映の主力だった。
 
 新人だった江本氏は先輩の勧めで、張本氏用にしつらえてあった一人部屋に挨拶に訪れると‥‥。
 
「お前、こういうところでは喧嘩したらアカンで」

 これが、デンと構えた張本氏の第一声。
 
「世界がね…あれ、東映のヤクザ映画だから」と、その時の雰囲気を、当時の親会社だった東映になぞらえてジョークにした江本氏だったが、実際、張本氏を前にしては「もーね、正座してビビっちゃって、脂汗かきながらさ…」と、あまりの貫禄に緊張しまくりだったという。

 帰りがけには、部屋の中にあった段ボールいっぱいのお菓子を「持てるだけ持って帰れ!」とおすそ分けをいただいたという江本氏。大部屋に戻って聞けば、他の選手は貰ったことが無かったそうで、張本氏は江本氏に他にはない何かを見出していたようだ。

(ユーチューブライター・所ひで)

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