中小企業庁によれば、持続化給付金の給付要件を満たしていないのに給付金等を受給してしまったことから自主返還を申し出たものの未返還となっているものが、6月16日時点で約7000件あるという。
「持続化給付金は新型コロナウイルス感染拡大における経済対策として20年に実施された、中小企業に最大200万円、個人事業主らには最大100万円の現金を給付する制度でした。しかし、給付までのスピードを重視したことから書類を写真でアップロードするなど手続きが簡略化され、不正受給が続出したんです。しかし、同年7月に不正受給によって逮捕者が出たことをきっかけに、返還を申し出る人が急増。現時点では約2万2500件が返還の意思を示していますが、実際には1万5400件ほどしか返還されていないのです」(社会部記者)
中小企業庁は自主返還すれば原則として加算金などのペナルティを科さないというが、「悪質性が高いと判断すれば警察に相談するなどの対応もありうる」と説明している。しかし、この対応についてネット上では《そんな甘いこと言っているから返還しない人が多くなるんだと思う。期限を決めて返還しなければ会社、個人の実名公表と差し押さえなど厳しい姿勢を見せるべき》《自覚しながら不正受給したのであれば、きちんと罪を償う必要がある。逃げた者勝ちの甘々な対応を許すな!》《返還の意思を示した人すら返還しない。中小企業庁がユルユルだから舐められまくっているんだろうな》など厳しい対応を求める声が殺到している。
「悪質性が高いと判断すれば警察に相談するということは、悪質性が高くなければ不正受給していても訴えすらしないということですからね。不正受給の意図があったかどうかにかかわらず、誤って受給したものは返還するのが当然のこと。どんな事情があれ、いまだ返還しようとしない人には何らかのペナルティを科すことも必要ではないでしょうか。自主返還を申し出ずに不正受給している人はまだまだいるでしょうから、そういう人たちが申し出るためにも厳しい対応を見せてほしいところです」(犯罪ジャーナリスト)
不正受給者の自主性にまかせていたら、いつまでもお金は返ってこないだろう。
(小林洋三)