悪い「岸田インフレ」を乗り切る生活防衛術を専門家が指南(4)「所得倍増計画」が「格差倍増」に 

 こうした閉塞感を打開すべく岸田内閣が骨太の方針として打ち出したのが、「資産倍増計画」だ。

「貯蓄から投資へという政府の提言は年金など資産をNISAやiDeCoなど自分で投資するシステムです。銀行預金より利率はいいが、ウクライナ侵攻などで一気に元本割れするリスクもある。そもそも、受給額の減っている中で、どうやって投資に回す資金が捻出できるのかまったく理解できない」(経済部記者)

 ゼロ金利の時代に銀行利息だけでは心もとないが、

「日本人の3割以上が貯蓄100万円以下、つまり総じて関係ない話です。岸田派の元となる〝宏池会〟の池田勇人内閣の『所得倍増計画』では1億人の所得が増えた。しかし、今度の岸田内閣では資産を持っている人だけが得をすることになる。つまり持ってない人との差がどんどん開く〝格差倍増計画〟です。ただ、特に年収400〜500万世代の中間層は、今後の生活水準を保つのが難しくなる。もはや電気代の節約やポイ活などでは追いつかないレベル。投資など自分で収入を増やす工夫が必要なことも事実です。ただ迂闊に手を出せばヤケドするのがオチ。やるからにはしっかり勉強しなければ危ない」(経済評論家・佐藤治彦氏)

 これには、経済評論家の荻原博子氏も相づちを打つ。

「岸田さんは、投資の方針を打ち出しましたが、わけのわからない資産倍増などには乗らないことです。このところ株価は連続して暴落し、素人が下手に手を出すのは危ない。現金を投資に使わず手元に持っておいた方がいい」

 7月10日に投開票が迫る参院選では、この岸田インフレが争点になるという。

「昨年秋に発足した岸田内閣はご祝儀相場の支持率から一切下がらなかった。ところがこの岸田インフレで国民の怒りが噴出し、初めて6割を下回った。また物価高への経済対策に関しても6割超がNOを突きつけ、政府は慌てている」(政治部デスク)

 参院選後は国政選挙がない〝空白の3年〟となる。

「実は雇用保険の個人負担率が4月に0.5%へと上がる予定でしたが、参院選を前に波風立てないよう先送りになりました。この他、観光税などの増税も取り沙汰されているようです」(荻原氏)

 真綿で首を絞める〝岸田インフレ〟の上、大増税なら万死に値する愚策だろう。岸田内閣の暴走を許してはならない。

*「週刊アサヒ芸能」6月30日号より

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