ポイント10倍キャンペーンも…楽天「プライド月間」に高まる期待

 楽天グループ株式会社はLGBTQ+への理解と権利の向上について啓発する「プライド月間」に合わせ、6月1日から30日の期間「Walk Together with Pride」を実施することを発表した。LGBTQ+に関する理解促進や啓発を目的としたこの活動は昨年に引き続き2回目の開催となる。

 期間中、楽天ブックスや同社の電子書籍ストアでは、LGBTQ+の著者が執筆したエッセイなど、関連する作品を特集ページで紹介。対象書籍を2冊以上購入するとポイントが10倍になるキャンペーンも合わせて実施され、LGBTQ+の理解促進を担う活動として注目されている。「楽天ラクマ」の出品代行サービスでは、期間中は梱包用テープもレインボーカラーに。グループの総力をあげて企画を盛り上げる。

「プライド月間」に関する取り組みは、数年前までは当事者団体による活動がほとんどだったが、近年では民間企業の参加も目立つ。海外企業ではディズニーやLEGO、Spotifyなども関連する企画を実施。LGBTQ+への理解促進活動に企業が関心を持ち始める中で、日本企業の中では楽天が先陣を切っている印象だ。

 同社は昨年にも日本における「LGBT平等法」制定を目指す「ビジネスによるLGBT平等サポート宣言」への賛同を表明しており、従業員、顧客を含むすべての人の価値観を尊重するサービスの提供を掲げている。こうした活動は実際に当事者に届いているのだろうか。

「一連の取り組みに対し、《自社のプレゼンでしか無くて偽善的》《企業がそこまで性的マイノリティに肩入れするの?》など、懐疑的な声もSNS上の書き込みで見受けました。日本ではこうした活動が未だ広まりきっていないためでしょうか。しかし、当事者にとってはこうした正しい理解促進のための活動はありがたく、賛同する声がかなり多いです。中には、昨年の楽天の活動をきっかけに《自分が当事者だと気がつくことができた》という人もいましたから」(LGBTQ支援団体の男性)

 全ての人が差別や偏見を受けることのない社会の実現に、企業のサポートが求められているようだ。

(浜野ふみ)

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