テリー でもさ、ジェイソンさんも物欲はあるんでしょ?
ジェイソン ないです。僕は究極のミニマリストなので。今日は渋谷から1時間50分かけて歩いてきました。(この日は雨だったので)靴下までビショ濡れです。
テリー えぇっ!? そういえば、本に「ほとんどの現場は歩いて行く」って書いてあったね。あれ、ほんとなんだ?
ジェイソン ほんとです。次の六本木も50分かけて歩きます。マネージャーも無理やり付き合わせてます。その後は六本木からまた家まで歩いて帰ります。歩くの大好きです。
テリー 徹底してるなぁ。
ジェイソン 別にタクシーに乗れないわけじゃないけど、自分の力で歩いて行けるのであれば、いい散歩になるし、気分が晴れるし、いいことしかないですよ。元気で仕事場まで歩いて行ける、それだけで十分幸せです。
テリー そこまでやらないとお金は増やせない?
ジェイソン どこまでやるかはその人次第。僕は好きだからやってます。お金を増やすのに大事なのは支出を減らすことなんですよ。僕は芸人になって、それ以前より収入も増えましたけど、支出は増えてないんです。学生時代と同じレベルの生活水準をキープしたままなんですよ。で、稼いだ分を全部投資に回してるから、増えた分がさらにお金を生んで、その増えた分もさらにお金を生んでくれてるから、資産を増やすことができたんです。
テリー 本には服も買わないって書いてあったね。
ジェイソン このジャケットも帽子も靴も、仕事でイベントに出た時にいただいたモノで、自分で買ったモノはないです。後で見せますけど、今使ってる僕の手袋は穴だらけですし。まだ使えるからいいんですけど。傘も壊れてるのを使ってるから、ビショ濡れになりました。
テリー それ、例えば奥さんは何も言わないの?
ジェイソン 妻は僕と価値観が全く一緒ですから。夫婦間で価値観が一致しなければ、離婚でしょうね。
テリー そうだよね。
ジェイソン もう長い間、夫婦間で誕生日プレゼントも何も贈り合ってないですよ。「いるモノがあれば、いつでもご自由に買ってください」って、お互い言ってますけど、買わないし、何も欲しくない。家に帰って、家族で同じ食卓に座って、妻が作ってくれたおいしいご飯を食べるだけで十分、何もいらないです。
テリー 例えば奥さんが、「たまにはホテルでおいしいもの食べたいよ」とか「軽井沢に別荘持ちたい」とかって言ったら?
ジェイソン 「考えましょう」と言います。で、数字を出して、「買うより、たまに旅館に泊まったほうが得でしょう」みたいなことは言うと思います。
テリー ちゃんと話し合うってエラいね。ケンカになったりはしないんだ。
ジェイソン こちらはできるだけ節約して、投資で財産を増やそうとしてるのに、向こうが毎日いらないブランドバッグを買ってきたり、できるだけ財産を遣おうとしてたら、それはかなりのストレスになると思いますけどね。アメリカの離婚の原因で一番多いのは、金銭感覚のズレらしいですから。
テリー あ、そうなんだ。夜の生活じゃないの?
ジェイソン たぶん日本人よりは多いと思います。何の話をしてるんですか(笑)。
*テリー伊藤対談【3】につづく