「カムカム」の大女優・松原智恵子が経験した“破天荒過ぎる新婚旅行”とは

 3月末の最終回に向けて佳境に入ったNHK朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」。深津絵里演じるヒロインが劇中でいつも頼りにする女将役を名女優・松原智恵子が好演しているが、彼女は60年代に吉永小百合に匹敵する人気を誇った日活映画黄金期のヒロイン。若いころからおしとやかなイメージで気品を感じるが、実は松原は芸能界で唯一と言っていい、破天荒な新婚旅行を経験した人物として知られている。

 それはサハラ砂漠の横断。ベルギーを出発し、オランダ、ドイツ、フランス、スペインと巡った後、アフリカ・モロッコへ渡り、アルジェリア、チュニジアを車で走破。その後、イタリアに上陸し、トルコのイスタンブールまで100日間の旅を行っている。

「本人もインタビューでたびたび語っていますが、夫でジャーナリストの黒木純一郎氏の取材旅行に同行し、新婚旅行の代わりにしたそうです。映画の撮影のため一足先に帰国しましたが、旅の間は交替で運転手を務めていたとか。『世界の果てまでイッテQ!』より過酷な旅をプライベートでしていたのだから恐れ入ります」(芸能ライター)

 しかも、旅に出たのはトップ女優としての地位を築いていた26歳のとき。70年代前半は日本人の海外旅行自体が珍しかったが、ヒッピー文化の影響などで世界的に放浪旅行が流行った時代。「深夜特急」で有名なノンフィクション作家の沢木耕太郎氏がユーラシア大陸横断の旅に出たのもこの時期だ。

「連ドラや映画の主演クラスの女優が旅に出るのを許すわけですから事務所もいい意味でおおらかだったと言えます。ちなみに松原さん、吉永さんと同じ日活三人娘の一人だった和泉雅子さんは、後に冒険家として女性では世界2人目の北極点到達に成功しています」(同)

 その並外れた行動力こそが、時代を代表する女優として活躍できた理由なのかもしれない。

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